応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

応募用紙ダウンロード
受賞作品一覧
優秀賞
第27回 中学生の部

北花内:四季の生物マップ

橋本紗弥

奈良県
智辯学園奈良カレッジ中学部
中学校1年生

全体説明

 私が住む奈良県葛城市北花内は、二〇〇四年十月一日に奈良県北葛城郡新庄町と當麻町が合併しました。北花内は、葛城山から二上山に延びる山脈に位置します。山を越えれば大阪府、気候は奈良盆地に位置するため、冬は霜がおりるほどに冷えこみ、夏は湿度が高い地区です。駅名の近鉄新庄駅は、合併前の新庄町北花内の名残です。

 駅周辺には、田んぼ、野原、神社、ため池、家庭菜園など、多くの生物が生息する場所があります。これらの場所をただ散歩するだけでなく、私が興味をもった場所で立ち止まり観察することで、多くの生物を発見できました。更に同じ場所が季節ごとに、色彩や風景に変化をもらたらすことの自然の楽しさやすばらしさを教えてもらえました。

観察ポイントごとの説明

(1)

 朝方、自宅の前の木でシャンシャンとクマゼミが大合唱、昼間はそれにかわり、アブラゼミがジージー大合唱です。小川には、田植えの時期になると、田んぼから流れでて水が小川に入るためか、カブトエビが流れに向かってたくさん泳いでいます。ハサミのまっ赤なアメリカザリガニも出現します。シオカラトンボも川の周りを飛んでいます。春の市内清掃で川の土を採るとヤゴがたくさん出てきます。

 

(2)

 自宅前の駐車場では昼間、数匹のアシナガバチに遭遇します。なぜ、この場所に飛んでいるのだろうと探してみると、拳くらいのハチの巣を発見しました。以前にも一度駆除してもらったのに、最近またハチを見かけます。同じ場所に巣をつくる習性があるのでしょうか。

 

(3)

 ここの家庭菜園のイチジクの木には、二種類のカミキリムシを発見、一匹は灰色で黄色の斑点があり、もう一匹には真っ黒で白の斑点が多数あります。図鑑では、前者はキボシカミキリ、後者はゴマダラカミキリと判明しました。春になるとミカンの木にアゲハの幼虫を見ます。つかむと黄色の角を出し、異臭を放ちます。夏、ミカンの木の近くでクロアゲハを見かけます。幼虫は怒ったときピンク色の角を出す事を図鑑で知りました。

 

(4)

 神明神社は、木が生い茂り、鳥居を通るとひんやりとしています。鳥居の周りには白いドクダミの花が咲いていて、境内の周りで地味な色のチョウを見ました。茶色、ベージュ、オレンジ色が混ざり合っていて、図鑑ではサトキマダラヒカゲであると確認できました。

 

(5)

 新庄駅前、左手に草ぼうぼうの公園とため池があります。茂った草の中から、ギーッチョンとまるで会話をしているかのように何匹か鳴いています。そっと鳴き声の方向に進むと、草の中にキリギリスを発見、緑色と羽の茶色がすごくきれいで、お腹はパンパンに膨らんでいました。地面の枯れ草の間には、まるまる太った茶色のエンマコオロギがピョンピョンと跳んでいました。

 

(6)

 ため池には池を監視しているように同じコース、同じスピードで飛んでいる大きなトンボを発見、胸と胴体の間が青色に輝いて非常に美しいトンボです。図鑑で調べると、ギンヤンマと分かりました。池にはクサガメが顔を出していたり、岸の木には首の長いアオサギがいました。

 

(7)

 柿本人麻呂神社は神明神社と同じように大きな木があり、境内周辺はひんやりとしています。神社の入口の石の周辺は湿っていて、ダンゴムシがたくさんいました。秋になると、大きな木の下にドングリの実、クヌギの実を採ることができます。秋になるとヒヨドリが、赤く熟したガマズミの実を食べている姿をよく見ました。

 

(8)

 秋の田んぼは黄金色に輝いています。田んぼのあぜ道には、なぜか毎年同じ時期に同じ場所から朱色の美しい彼岸花が出てきます。あきあかねの大群も見ることができます。稲の葉をよく見ると、バッタのような小さな虫をよく見ます。体には茶色の線が入っていて、コバネイナゴであると図鑑で確認できました。

 

(9)

 夏の野原の道沿いで、ツユクサとエノコログサを発見しました。ツユクサの花弁は青、真ん中は白色で、おしべは黄色の小さく繊細な花です。エノコログサは散歩の途中、どこでも見ましたが、この野原は非常に多く見られました。

 

(10)

 この野原は、春になるとアブラナ、タンポポでいっぱいになり、一面が黄色の世界です。その中で、白色のモンシロチョウが飛び交っています。

 

(11)

 自宅の方向に直進すると、小さな野原があります。枯れ草が多いですが、ショウリョウバッタやトノサマバッタを見かけました。顔は緑色、羽は茶色、後ろ足の第二関節部分は朱色で、確かにお殿様のように堂々としていました。

 

(12)

 毎年、美容室の屋根にツバメが巣をつくります。親ツバメはエサをとりに行ったり、自分の巣を他に生物に破られないように常に修復しています。この様子を見ていると、とても穏やかな気持になります。巣の下に糞を落とすため汚いのですが、来てもらわないと少しさびしいです。

一覧へ戻る