英賀の里~史跡と自然めぐり~
増田奈那子
兵庫県
賢明女子学院中学校
中学校1年生
全体説明
私の住む英賀保の町は歴史が古く、千三百年前に作られた「播磨国風土記」に英賀の名が出てくるほどです。英賀の地は、よく肥えて豊かであったと記されています。英賀神社は、その頃から祀られていたということで、色々な宝物が残っています。また、室町時代には立派な城がありました。このあたりは、川の河口で海も近く湿田と豊富な湧水を利用して、深い堀を作り堅固な英賀城が出きました。そのため英賀は、播磨の中心都市として栄えました。十六世紀後半に、秀吉の攻撃により落城し、今では英賀神社のみが古来の姿をとどめています。この散策路には、色々な文化財が残されています。私の家がある高町は、獅子舞と壇尻が有名です。毎年、英賀神社の秋祭りでは獅子舞が披露され、伝統を今に受け付いでいます。JRの駅も近く、便利な所ですが、まだ自然が豊かで様々な花や草木、虫などを見ることができます。
観察ポイントごとの説明
(1) 大井川周辺
冬は水量が少ないが、田植えの頃から水量が多くなる。春にはショウブが郡生して紫の花を咲かせる場所がある。夏は亀や鯉がたくさん泳ぎ、かもの姿もみられる。川沿いには遊歩道があり、四季おりおりの野草を見ながら散歩する人が数多くみられる。
(2) 付城公園
十数年前に区画整理で作られた大きな公園で、色々な木が植えられている。ウォーキング、ランニングができるユースがあり、多数の人が利用している。春には桜、さくらんぼ、初夏にはヤマモモ、夏にはセミや虫が飛び、子供たちが虫とりや四つ葉のクローバー探しを楽しんでいる。憩いのスポットである。
(3) ハス畑
ここより西方の大津地区にはハス畑が多くみられるが、このあたりにも点在する。大きな緑の葉が目に鮮やかで、すずしげでハスの花を見ると、さわやかな気分になる。この美しい花の下に、れんこんがあるのが不思議に思えた。
(4) 清水公園
英賀保小学校のとなりにある公園で、木が多い。夏に花が咲く、キョウチクトウや、ノウゼンカズラが青い空に生えて美しい。公園の角には、この地域の史跡等を案内する案内図があり、英賀の里めぐりの目印になる。近所の方が、色々な花を植えておられ、四季おりおりの花が咲くのが見られる。
(5) 城趾公園周辺
英賀城の城跡が残る公園。大木が多数あり、夏はセミが多く人の話声が聞こえないほどの大合唱を聞くことができる。特にクマゼミ、アブラゼミが多く、そこここにセミのぬけがらや、セミの姿がみられる。ミンミンゼミも初秋にはツクツクボウシも多くみられる。セミとりには絶交の場所である。
(6) 山崎山
県道のすぐ横に山があり、自然が残る。初夏のころ、親子と思われるシカが県道まで下りており、ビックリした。タヌキやイタチの姿も見ることができる。
(7) 英賀神社
九世紀ごろから祀られている。英賀の里の総氏神の神社内には、数々の史跡や重文がある。英賀城土塁や国重文の梵鏡、大鳥居、手水鉢など。また、天然記念物のご神木「竹柏の木」や、司馬遼太郎の「播磨灘物語」の文学碑があり、見どころ満載だ。十月には秋祭りが盛大に行われる。境内には木々が多く、ホッとできるスポットである。
(8) 明蓮寺
英賀城内で唯一現存する寺院である。ここに、英賀本徳寺跡の石碑がある。英賀本徳寺は千四百九十三年に作られた、播州真宗の発祥の地である。元々は、ここより西方にあったが夢前の付替工事により埋没したため、移設された。
(9) 英賀城本丸跡
英賀城は周辺の川や湿田、豊富な湧水を利田して深い外堀を造り、築城された。全国で最も古い「水城」で守りが堅固なため「岩城」と呼ばれた。この辺りが昔は外堀であり、すぐ南には海があったと思われるが、今は想像もつかない。わずかに当時を忍ばされる、土塁や堤防などが残っている。空地のフェンスには、ヒルガオが花を咲かせ川沿いには、フヨウなどの花が咲いている。
(10) すくい川公園周辺
このあたりの水田にはタニシが多く、いねや土手に産卵し、稲に害を扱ぼすため農家の方々は駆除におわれている。近年あまりきつい農薬を使わなくなったため、増えているらしい。その○面、カブトエビやおたまじゃくしには生没しやすいのか、泳ぐ姿が多くみられる。虫たちをねらってサギが水田を歩く姿も見られ、ホッとする。