受賞作品一覧

僕とちょこの散歩道

佳作
本勝淳大
兵庫県
淳心学院中学校
中学校1年生
第26回 中学生の部

全体説明

僕は愛犬ちょこといつもよりゆっくり歩いて歴史を感じながら懸命に生きている生物を観察していこうと思います。「銀の馬車道」は明治時代に生野銀山から姫路港に鉱石を運ぶために出来た49kmの日本初馬車専用道路です。1921年、馬車道は廃止され一部国道32号になったり播但線の姫路港線になりました。姫路港線は新日鉄から鉄を運搬するために姫路港を結び、蒸気機関車が走っていました。23年前、廃線となり今は遊歩道になりつつありますが、今回僕は手つかずの場所を過去の人々の思いを感じながら歩いてみました。また、平安時代、菅原道真が大宰府へ船で行く途中、この先陸を行くか、海を行くか思案された「思案橋」にも立ち寄って、僕が道真になった気分を味わってみました。見慣れた風景や道もこんな歴史的な事実を考えながら歩いてみると、いつもの道とは違って感じられます。さあ、愛犬ちょこと散歩に出発だ。「ちょこ、レッツGO~!」

観察ポイントごとの説明

ポイント1

3年ぐらい前から、おばあちゃんの家の庭にヒヨドリが毎年やってきます。毎年冬に稔マンリョウの木の実を一つぶ残らず食べていきます。観察の日は、実がなかったのですが、たまたま遊びにきていました。枝にとまってどこか遠くの方をながめていました。けれど僕たちが近づくと、気配を感じてすぐ飛び去ってしまいました。

 

ポイント2

この川は海が近く、年に1、2度大潮の時には逆流し、海水が入ってきます。この日は農業用水確保のために上流で関止めていたため、とても水位が低く、川底の石がたくさん見えていました。よく見ると、石と石との間に、体長101cm、体重1.4kgの大ウナギがかくれていました。すぐに捕獲し、観察しました。思っていたより体の色がうすくて、体全体がぬるぬるしていました。

 

ポイント3

この付近は用水路や川が多く、土管や橋の下を住みかにしているコウモリがたくさんいます。日没後、街灯に虫が集まり、その虫をねらってコウモリが飛び回ります。急に旋回したり、いきなり上昇したり、予測不能な動きをくり返して、虫を食べます。

 

ポイント4

昔、栄えた馬車通も、今では雑草が生いしげり、近所の犬の散歩道になっています。この日も愛犬ちょこといっしょに散歩していると花のみつを色あざやかなアゲハチョウが吸っていました。しばらくすると、モンキチョウも花のみつを求めてふわふわ飛んできました。

 

ポイント5

馬車道の先にはグリーンベルトが続きます。ここは、大きな木がたくさん生えていて、森のようになっています。クヌギやコナラも多いのでカブトムシやクワガタムシを探してみましたが、見つけることができませんでした。また、ミンミンとなくミンミンゼミとジリーンと鳴くアブラゼミがいました。枝には、セミのぬけがらがいっぱい付いていて、びっくりしました。

 

ポイント6

この場所は、川のように見えるけど海水です。少し歩いてみると、ボラがジャンプしていました。もう少し歩くとカモメが数羽とんできました。そのカモメたちは全員同じ方向に向かってとまり、整列しました。風の抵抗を少なくするために風上に向かっているのかなあと思いました。

 

ポイント7

このはしは、菅原道真が瀬戸内海を船で西へ行く時、津田のこの地に上陸され、ここから陸を行くか海を行くか思案されたので「思案橋」の名が生まれた。だから、その横に通真像がまつられています。まわりを見わたすと木の枝にジョロウグモが巣を張って、えものを待ちかまえていました。よこの公園の草むらにショウリョウバッタがたくさん飛んでいました。

 

ポイント8          

ぼくの住んでいる今在家の主神様の神社である津田神社にいくとクマゼミがシャオシャオと大声で鳴いていました。神殿の裏側にまわってみるとかべにカマキリがまとまっていました。よく見ると、カマキリの口にガの羽がついていました。

 

ポイント9

この用水路は水の流れもおそく、アメンボが水面を滑走しています。水面に虫が落ちると水の波動を感じ取って虫の方へかけつけていきました。そして虫を食べる様子も観察できました。水の流れがおそい所にカエルが、石垣のすき間にザリガニがいました。用水路のカベにタニシのピンク色の卵がたくさん卵みけられていました。

 

ポイント10

もう少し先へ進むと、はばの広い船場川があります。そこに泳いでいる魚をねらっているゴイサギがいました。足を水につけて魚をまちかまえていました。上手に魚をくわえて、まるのみにしていました。空を見上げるとコサギが飛んでいました。カメも、小さいながらに精一ぱい泳いでいました。

 

ポイント11

田んぼの中を走りぬけていくと、ふと目にとまったものがあります。それはナツアカネでした。まっ赤な体をしたナツアカネが羽を小刻みに動かし、先が読めない飛び方をしていました。水たまりの方にいくとホソミイトトンボもいました。