応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
佳作
第28回 中学生の部

海岸沿いの散歩道

戸田百香

兵庫県
兵庫県立大学付属中学校
中学校3年生

全体説明

穏やかな瀬戸内海を望み、天気によって目の前の淡路島がとても近くに見えたり、遠くに見えたりする明石の海岸は夏には海水浴によく来ます。きれいに整備されていて、海岸沿いにはサイクリングロードがずっと続いています。海を見ながら歩くと、とても気持ちがいいです。

浜に出ると小さな生物にたくさん出会います。カニが波に乗って泳いでいたり、小さい魚が群れて泳いでいるのが見えます。この砂浜にはアカウミガメが産卵に来ることがあります。メキシコのカリフォルニア半島沖まで回遊し、日本に産卵に来ます。ここ何年かは確認されていません。ちょっと寂しい気もします。

今年は大震災と津波という悲しい出来事がありました。少なくとも海の環境にも影響していると思います。海の生き物たちはもちろん、アカウミガメが産卵しやすい環境を保っていきたいです。

観察ポイントごとの説明

ポイント(1)

東に向かい歩いていると、明石海峡大橋が見えます。左手に八雲神社があり、小さい鳥居をくぐると木々に覆われた社がありました。セミの声がうるさいくらいでした。今年はセミが鳴き出すのが遅かったので、この声を聞くと、「夏だなあ」と思えて嬉しいです。

 

ポイント(2)

海水浴場の駐車場があり、休息所にもなっているので、食べものを求めてか、ハトがたくさん集まっています。

防波堤にはザワザワッとフナムシがいました。フナムシは藻類や生物の死骸などを食べるので、それに各個体が群がっているため、一ヶ所にたくさん集まっています。フナムシなのに、カニやエビなどと同じ甲殻類です。

 

ポイント(3)

砂浜に出ると、石の間からヤドカリがすばやく移動しています。口元に何かを運んでいます。小さい藻を食べているようです。きれいな海なのでおいしい藻がたくさんあるのだと思います。

この砂浜には、アカウミガメが産卵にくることがあります。ここで生まれた小ガメが、また産卵に戻ってくれるとうれしいです。

 

ポイント(4)

少し潮風が吹いていて、とても気持ちがいいです。砂浜の上を早くもアキアカネが飛んでいました。何匹も高く飛んだり、低く飛んだりしています。止まったまま移動しているみたいで、まるでUFOのようです。蚊などを食べていると思われます。

 

ポイント(5)

並みにまぎれてカニがユラユラと泳いでいます。カニは砂の上を横歩きするものだと思っていたら、とても上手に波に乗っていました。未だ小さいので子供のカニだと思いますが、生まれながらにアスリートだなと感心しました。

 

ポイント(6)

道でカラスが騒いでいました。少し怒っているのかと思いましたが、よく見ると松の木の上に巣らしきものが見えました。何かいるようには見えませんでしたが、もしかしたら卵があるのかもしれません。巣を守るために私を威嚇しているのでしょう。カラスは人の顔を覚えるくらい賢いので、静かにその場を通り過ぎました。

 

ポイント(7)

少し開けた広場があり、木の根もとにはうつせみがありました。なんだかセミとは別の生き物のようです。

草の間から急に小さいチョウがたくさんヒラヒラと舞い上がりました。シジミチョウです。草の多い所に卵を産みに来ています。青青とした若草がたくさんあるので、いっぱい集まっています。この草の新芽を食べて、幼虫が育つのでしょう。

 

ポイント(8)

海水浴をする人たちが、楽しそうに泳いでいます。沖の方には明石海峡の航路を大きな船が何席も行きかっています。凪で穏やかに見えますが、沖はとても潮がはやいそうです。カモメが飛んでいるのが小さく見えて、まさに夏の海の風景そのものです。

 

ポイント(9)

海岸沿いから一つ道を入ると、漁師さんの家やつりエサ屋さんがあります。網があったり、ウキがある家があります。でも、不思議とその間には畑があり、夏の野菜がたくさんできていました。畑のそばには、少し土色をしたトノサマバッタが私を迷惑そうに飛んで逃げていきます。飛ぶ時にカラカラッと音がします。私が通るとあちこちでカラカラッと音がしました。

 

ポイント(10)

道にせみが何匹か落ちていました。死んでいるものもいましたが、まだ動いているものもいます。卵を産み終わって、ひと夏の命を終わらせていきます。考えると、木から出て、すごいスピードで一生を過ごすのだなと思いました。少し悲しい気もしますが、その間に確実に次の命をつなげて行くからすごいと改めて思いました。

 

ポイント(11)

歩いているとネコが寄って来ました。けっこうやせていて、年を取っているように見えます。人に慣れているのか「ニャー」と鳴いて近くまで来ました。頭をなでると目を細くしてグルグルとのどを鳴らしています。お乳が見えたので子ネコがいるのかもしれません。お乳をやって、栄養を取られてやせているのでしょう。なんだかとてもかわいくて、少しの間ネコと過ごしました。

 

ポイント(12)

急に3匹くらいのアシナガバチが目の前を飛びました。びっくりして後ずさりすると、また飛んで来ました。一匹がなにか糸のような物を運んでいるので、見ていると木の小枝に止まりました。近くのブロックの穴の中に一匹入って行きました。この穴に巣があるのだと思いましたが怖くてのぞけません。みんなでエサを運んでいました。

 

ポイント(13)

アキアカネがいる浜辺へ戻って来ました。はだしになって海に足をつけました。冷たかったです。海面をピョンピョンと何かが跳ねましたがよく分かりません。帰って父に聞くと「もしかしたらカレイの稚魚かもしれない」と言っていました。明石の海はきれいで、魚もたくさんとれて、とてもおいしいです。この海をいつまでも自慢の海として守って行きたいです。

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