応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
佳作
第29回 中学生の部

私と愛犬ふれあの散歩道

前田紗花

奈良県
智辯学園奈良カレッジ中学部
中学校1年生

全体説明

ふれあ(トイ・プードル、オス)を飼い始めてから、朝の散歩は私の日課になりました。夏休みは朝6時に起きて散歩しても、気温の上昇と共にアスファルトが熱くなって、ふれあの肉球が火傷してしまいそう、なので朝は15分、夕方涼しくなった18時位にまたお散歩に40分位行きます。

 真美ヶ丘は住宅地で、公園がいくつもあり、犬の散歩ができる横峯公園までは少し遠いですが、真美ヶ丘の歩行者自転車専用道路の「かつらぎの道」を歩いていきます。ふれあも色々なにおいをかいだり、楽しそうです。ふれあが家族になる前は、ゆっくり外を散歩することは少なかったので色々な発見があったり、自然の音を感じることができるのでとても良いです。

 ありがとう、ふれあ。

 では、まず朝の散歩コースから。

観察ポイントごとの説明

家を出てお向かいの上村さんの家の前には、多肉植物の鉢がいくつもあります。

 

ポイント(1)。

多肉植物は砂ばくなどの土地で生きるため、薄い葉ではなく、ぷっくりとした形の葉をいくつも持っています。表面がクチクラ層でおおわれて水の蒸発を防いでいます。フランシスコやハートジュエリーなど、可愛い名前のものもあります。多肉植物の鉢のそばには水蓮鉢も置いていて、ミドリガメも飼われています。

 

ポイント(2)

小さなミドリガメは時々日光浴をしています。カメは変温動物なので自分で体温を上げることができません。午前中に日光浴をすることで体温を上げ活動に備えます。日光に含まれる紫外線を浴びることで、ビタミンDを合成し、甲羅や骨を形成していくそうです。犬のふれあが顔を出すと、ミドリガメは水蓮の下に潜ってしまいます。

 

 少し歩くとボーダーコリーポイント(3)の十兵衛が柵の間から顔を出してくれます。ボーダーコリーはイギリス原産の犬で、牧畜犬の中でも大変頭の良い犬種です。オーストラリアやニュージ-ランドなど牧羊がさかんな国ではなくてはならない犬です。十兵衛は羊は追いかけませんが、カラスを追いはらったりしてくれます。雷が苦手な優しい犬です。

 

 勘平山児童公園ポイント(4)では、ふれあいとボール遊びをします。ボールがはねるとバッタがたくさん草むらから飛び上がります。ショウリョウバッタかと思い、図鑑で調べたら、ショウリョウバッタモドキでした。ショウリョウバッタよりも顔や脚が短いのです。カマキリも時々いました。

 

 スーパーコープの天井の壁には、毎年ツバメが巣を作りに来ます。ポイント(5)、買い物の人がたくさん通るけれど、手は届かない高所なので、ヘビ等の敵がおそいにくい場所だと思います。今年は10日間位で巣を完成させていました。卵を抱くのはオスとメスの交代で、2週間位でかえるそうです。親ツバメがエサを持って巣に帰ってくると、ヒナ達がすごい勢いでエサくれエサくれ、と口を開けます。親ツバメは全てのヒナにエサをあげるため何回も往復しています。ヒナは黄色い口ばししか見えなかったのが、だんだん大きく成長して、親と変わらない位の大きさになっていました。下から見えて可愛いです。今年は4羽とも元気に巣立ったようです。これで朝の散歩コースはおしまい。

 

 夕方の散歩は、涼しいからか、ふれあもどんどん歩きます。真美ヶ丘幹線の信号を渡り、東中学校の方へ歩きます。アジサイの花がたくさん植えられている場所は、6月がきれいです。

 

ポイント(6)アジサイは紫陽花と書きますが、ここのアジサイは紫色というよりもピンク色です。花の色はアントシアニンという色素のもので、アジサイにはにはその一種のデルフィジニンが含まれています。これにアルミニウムの色素が加わると青色になるそうです。土のPHによって花の色が変わるのは、土が酸性だとアルミニウムが溶け出して、吸収されて青色になり、土が中性やアルカリ性だと花は赤色になるそうです。

 ケヤキの木がたくさん植えられている、かつらぎの道を歩きます。歩行者専用道路なので、とても歩きやすいです。鳥の鳴き声もよく聞こえてきます。

 

ポイント(7)

私が面白いなあと思うのは、キジバトの鳴き声です。「デーデーデッボーボー」とまるで1小節歌っているみたいです。この鳴き声は、オスが結婚相手を求めているときとなわばりを宣言しているときに出すそうです。

 

 かつらぎの道の途中にショッピングセンターがあり、植えこみの所にふれあがやたらと顔を入れるので、何かなと思ってのぞくとアシナガバチの巣があってびっくりしました。

 

ポイント(8)

アシナガバチは毛虫やイモムシをエサにする益虫です。巣に触れたり刺激しなければ攻撃はしてこないそうです。それでも真夏は子育てで働きハチが攻撃的になっていることが多いため、巣には近寄らないようにしたほうが良いようです。あぶないよ、ふれあ。

 

 かつらぎの道を1キロ位歩くと、横峯公園にたどりつきます。ポイント(9)ここには大きなメタセコイアの木があって、ふれあはそこをぐるぐる回ります。そしてベンチで休憩します。メタセコイアに「生きている化石」と札がかかっていました。なぜなのか調べると、メタセコイアは今から五千万年前に地上に広く繁植していて、化石として産出しており、百万年以上前には絶滅したと考えられていました。昭和20年に、中国で生きているメタセコイアが発見され、種子と苗が皇居に届けられて御所に植えられたそうです。その後、メタセコイア保存会により挿し木で次々に増やされて全国の公園に植えられたそうです。人間が絶滅させた動物や植物もあるけれどこうして人間の手で絶滅の危機からまた世界に広がった植物もあるのだなとうれしく思いました。

 

 散歩の帰りのかつらぎの道では、クマゼミやアブラゼミなどの暑い感じの鳴き声よりも、ヒグラシの「カナカナ…」という高くて涼しい感じの鳴き声の方が大きくなった様に感じます。

 

ポイント(10)

ヒグラシという名は日が暮れてから鳴くという意味もあるんだなあとわかりました。そして、セミは成虫になると、一週間しか生きられないと思っていたけれど、三週間から一ヶ月位生きていることも知りました。

 

 これからも、ふれあと散歩しながら、新しい発見をしていくのが楽しみです。

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