応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
佳作
第29回 中学生の部

潮の香りの散歩道

濱名由梨香

兵庫県
賢明女子学院中学校
中学校1年生

全体説明

私の住む兵庫県明石市は、東経一三五度の子午線の通る都市です。瀬戸内の温暖な環境に恵まれ、タコ、タイ、のりなど海の幸が豊富です。東西に長い海岸線では、マリンスポーツを楽しむ姿や、古くからの漁港が栄えています。この明石市の最も西部にあるのが、二見町です。二見は、漁業の町として昔から発展してきましたが、最近は、大型ショッピングセンターやマンションができて、新しく移って来た住民が増えています。しかし、海に近い地区の家や町並みは、昭和の頃のまま残されていて、タイムスリップしたような感じがします。この町の対岸にあるのが、二見人工島です。二本の大きな橋でつながれていて向上が立ち並んでいますが、広い緑豊かな公園は、スポーツを楽しんだり散歩をするのに最適な憩いの場所です。橋から見える淡路島を眺め、潮風と太陽いっぱいのこの場所を、のんびり散歩してみました。

観察ポイントごとの説明

1、2.スタート「西二見公園」

 家からも近い広い公園です。野球やサッカーをしている子供達や、木陰のベンチに座っているお年寄がいます。ここは、クロマツがたくさんあり、涼しい風が吹き抜けています。公園内には、いろいろな木が植えられていて葉が茂っています。下は雑草がたくさん生えていますが、そこへ一匹のキアゲハが飛んできました。木々の緑と青い空の中に、キアゲハの羽の黄色が、よく目立っていました。

 

3. 明石海浜公園

 車道が四車線ある大きな橋を渡ります。工場へ向かう大型トラックやダンプが大きな音を出して通り過ぎます。しかし、橋の上から見る景色は、とても静かな感じです。大きな緑の丘に見える海浜公園、ゆらゆらと揺れながら停まっている白いボート。これらを眺めながら橋を渡り終えると、いよいよ公園の入り口です。ウァーッという、ものすごいセミの鳴き声がしています。

 

4、5. ジョギングコース

 セミの大合唱を聞きながら、木々に囲まれた道へ出ます。ここからは、ジョギングコースです。何人かのランナーとすれ違いました。太陽は照っていても、海に近いので、時々さわやかな風が吹いてきます。ふと横をみると大きなコガネグモが、巣を張ってじっとしています。少し歩くとナナホシテントウが葉の上に止まっていました。生き物たちは、のんびりと自分たちの時間を過ごしている様です。

 

6. ツツジの道

 この辺りは、両側にたくさんのツツジが植えられています。五月には、ピンクや白の花が咲き、ツツジの名所となります。今は、花はありませんが、緑の葉がきれいです。近づいてみると、奥の方からアシナガバチが飛んできたので、おどろきました。どこかに巣があるのかも知れません。花の時期になると、もっとたくさんの生き物が集まってくるのでしょう。

 

7. 展望台

 ツツジの道を歩いて行くと、展望台への階段があります。ベンチに座って、しばらく休憩します。対岸の町並みや、東側の橋が、よく見えます。ここも緑が豊かですが、かなり雑草が茂っています。ベンチの下に動くものがあったので、よく見るとオオカマキリでした。目が合ったので、じっと見ていると、ゆっくりと草の中へ戻って行ってしまいました。

 

8. 海釣りでにぎわう防波堤

 公園を出て、防波堤へ向かいます。ここは海釣りを楽しむ人で大変にぎわう場所です。かなり高い場所から、たくさんの人が、釣り糸を垂れています。漁船が通るたびに、波が押し寄せて、ザブーンと音がします。テトラポットをのぞきこむと、たくさんのフナムシが動いていました。あちこちのすきまに、フナムシがいて、棒を入れると、あっという間に逃げていってしまいました。

 

9. 橋の上から

 いよいよ、私の一番お気に入りの場所、橋の上に来ました。ここは、かなりの高さがあって、潮風が吹き抜けて、本当に心地いいです。東には、淡路島が見え、遠くの波がキラキラ輝いています。すぐ下を船が通りすぎる様子も楽しいです。ついさっき通って来た公園や、防波堤もよく見えます。潮の香りに包まれながら、橋から海を見下ろすと、プカプカと白いクラゲが浮いていました。

 

10、11. 漁港の中

 橋を渡り終えて、漁港の中へ入ります。潮の香りが最も強い場所です。ここでは、明石名物の干しダコが見られます。真夏の強い太陽をあびて、ゆらゆらと揺れるタコの姿は、とてもかわいらしいです。これは、この二見町の夏の風物詩だといえます。干しダコの周囲は、倉庫が並んでいて、作業する人がたくさんいました。そばの雑種の中に、バッタを発見。大小たくさんのバッタがいました。

 

12. のりの作業場

 漁港を出て、市道を歩きます。この道は、地元の人しか使わないのか、あまり人影がありません。今度は、西二見漁港へ入ってみました。こちらは、のりの養殖が盛んで、道具があちこちに積んであります。波打ち際まで近づいて見ると、水は澄んでいて、小さな魚が泳いでいました。シオカラトンボが数匹飛び回っていて、風の中、とても素速い動きをしていました。

 

13. 緑のカーテン

 節電のためか、すだれをしている家が多い中、緑の植物で、窓をすっぽり覆っている家がありました。きれいなアサガオがあちこち咲いています。下の方は、しおれたり茶色くなっていますが、つるは、上へ上へとまだまだ元気に伸びていました。つぼみもたくさんあったので、明日からも花をいっぱい咲かせてくれるのだと思います。こうして、私の潮の香りにたっぷり包まれた散歩はゴールしました。

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