受賞作品一覧

根津山羽根木公園生き物マップ

優秀賞
佐藤至
東京都
明治大学付属中野八王子中学校
中学校1年生
第38回 中学生の部

全体説明

羽根木公園は小さいころからの遊び場です。自然が豊かで、春は桜や梅、夏はセミやカブトムシ等、多くの昆虫や植物、さらに鳥類を見ることができます。以上のことから、この場所をもう一度調べ、作品として応募することにしました。
羽根木公園のみ力は自然が豊かなことだけではありません。運動をしやすい環境が作られていることで野球、テニス、ジョギング等様々なことをすることができます。もう一つは、プレーパークです。区とNPOが運営していて、工作や薪き火、どろ遊びと普通の公園ではできないことができます。
マップの中に入らなかったみ力のある羽根木公園に、ぜひ自然観察をしに来て下さい。今回は十個の観察ポイントにそれぞれ名前をつけました。十ヶ所を順番に紹介したいと思います。

観察ポイントごとの説明

1.およそ六百五十本、六十品種の梅が丘をおおうように植えられています。この地点からは梅林を見下ろすことができます。淡い紅色と青空がきれいな、二月から三月には「梅まつり」が行われます。植物や名物、梅まんじゅう等が売られ、梅の花の写真を撮るためにカメラを持った人々も多くおとずれます。毎年梅まつりにおとずれますが、いつ行っても梅の花の美しさと多さにおどろきます。

2.この観察ポイントは雑木林の中にあります。夏にこの場所に来ると様々なセミの声を聞くことができます。ミーンミンと鳴くのはミンミンゼミ、ジーと鳴くのはアブラゼミです。ミンミンゼミはとう明な羽とエメラルドグリーンの体がきれいです。夏休みの後半にここに来るとツクツクボウシが夏休みの終わりを告げていて、悲しいような、うれしいような気持ちになります。

3.赤茶の土でできたこの場所はアオダイショウを見ることができます。アオダイショウはめったに見ませんが出会うと、その大きさにおどろきます。本来は昼行性ですが、自分は夜に見かけました。ネズミか何かの小動物を飲みこんだのでしょうか、体の中ほどだけがふくれていました。直径は四センチ程でしたが、それより大きなものを飲みこんでいて、怖くなりました。毒はありませんが見ためは怖いヘビです。

4.この桜の木は自分のお気に入りの場所です。木登りがしやすいため、よく友達と登りました。たまに夜や朝方に母や妹とここへ来ました。ごくたまにですが、樹液にカブトムシやコクワガタがいます。黒々とした体に光があたり、少し光を照り返している姿がとてつもなくかっこいいです。樹液にはスズメバチというとても強く、毒をもったハチがいることがあります。スズメバチがいたら、そっとその場をはなれましょう。

5.羽根木プレーパークの中程に位置するここはドングリが山のように落ちています。主に、コナラ、クヌギが多く、スダジイやシラカシがたまに落ちています。ドングリはあくを抜いて食べることもできますが、いつか試してみたいと思っています。やじろべえやこまをドングリで作ることもできます。一度チャレンジしましたが、からが割れてしまい、失敗してしまいました。難しいですが、ぜひ挑戦してみてください

6.ここではセミの抜けがらが多く見られます。夏になると子ども達がよく、抜けがらを探しています。地面から木の幹、グラウンドのフェンスまであらゆるところにくっついています。前方の鎌のような手は服や布にもくっつくので、ブローチとして服につけたり、布につけてコレクションにしてかざることもできます。

7.この辺りはチョウがよく飛んでいます。主にアオスジアゲハ、カラスアゲハ、モンシロチョウ、ヤマトシジミを見かけます。虫取り網でつかまえるのは難しいですが、つかまえるときれいな羽を観察できます。個人的に好きなのはアオスジアゲハです。青緑色の脈と黒の羽のコントラストがとても美しいからです。アゲハの仲間よりもシジミチョウの方がよく見られますが、アゲハの美しさは格別です。

8.ここはよく、キャッチボールをしに、父と妹ときた場所です。(現在、キャッチボールはできません。)テニスコート二面分ぐらいの広さがあり、朝には犬を連れた人が多くいます。空を見上げると鳥が飛んでいます。たまに黄色や緑の派手な鳥が飛んでいますが、それはインコです。世田谷区ではインコが野生化し、騒音やフンの被害が増えています。そのような環境問題にも目を向けてみてください。

9.この道はイチョウ並木になっています。秋の終わりになると黄色の葉が落ち、銀杏がなります。落ち葉を集めたじゅうたんに寝るのもおすすめですが、自分はイチョウの葉の切れ目を数えるのが好きです。多くの葉は切れ目が一つか二つですが、たまに六個や四個とたくさん切れ目が入っていることが分かります。見つけたときは四つ葉のクローバーを見つけたときのように幸せな気分になります。

10.このポイントが最後のポイントです。この草原には、ショウリョウバッタ、ツマグロオオヨコバイ、コオロギ、モンシロチョウ等、草食、又は雑食の虫が多くいます。夏の夜はコオロギやキリギリスの鳴き声が何重にも重なり、曲を聞いているような気持ちになります。リーリーリーと鳴くのはアオマツムシ、ギーッチョウと鳴くのはキリギリス、コオロギはキュルキュルと鳴きます。熱帯夜でも虫の音が涼しさを運んでくれます。
さて、朝方になるとセミの脱皮を見ることができます。散歩をしていたら近所の人が教えてくれました。まだ体が固まっていないので羽がシワシワになっていました。うすい青緑色やピンク色が少しすけていて、まるで宝石のようでした。早起きは三文の得といいますが、まさにその時は三文以上の得をした気持ちになりました。