受賞作品一覧

馬っこむかし話 四季の道

佳作
鈴木裕翔
東京都
光塩女子学院中等科
中学校1年生
第30回 中学生の部

全体説明

岩手県にある私の祖父母の家の周りはとても自然が豊かで、色々な植物や生き物がいます。私は小さいころから祖父母の家に遊びに行くと、庭や家の周りでよく散歩をしていました。そこでちょうやカエルなどを捕まえたり、花をつんだりして、遊びました。東京では見かけない植物や生き物などにたくさんふれあえる、この散歩道が私は大好きです。また、四季折々で表情を変える自然がとても面白いと感じました。私が小さいころから見てきた、たくさんの植物や生き物をみなさんにも紹介したいと思います。そして、この豊かな自然が壊れないように守って大切にしていきたいと思います。

観察ポイントごとの説明

ポイント1の説明

今年の春、私が四年生の時につくった巣箱にやっと、すずめが住んでくれました。

作って以来一度も鳥が入らなかったのですが、ついにその巣箱から鳥が二羽巣立ったのです。ひなを育てている時はねこやへびにおそわれないように、おいはらったりしました。ひなが巣立ったのは六月中ごろでした。その後もときどきそのすずめの親子は庭に遊びに来ています。

 

ポイント2の説明

そこは元は田んぼだったのですが今は稲作はされておらず休耕田となっています。水だけは引いてあるので、そこにたくさん自生しています。春から夏にかけて白くてかわいい花をつけ、休耕田を彩どっています。オモダカは東北地方中心にもう威をふるっている、除草剤が効かないスーパー雑草だそうですが姿はとてもかわいらしいです。

 

ポイント3の説明

オモダカの根元にはヤゴがたくさん生息しています。夏から秋にかけて、たくさんの赤トンボやムギワラトンボ、シオカラトンボが飛びまわっています。私が小さかったころは何匹もつかまえて遊んでいました。

 

ポイント4の説明

ハヤブサは体長38cmのもうきん類です。飛行している他の小型の鳥やコウモリなどを飛翔しながら捕まえたり、水面にたたきつけたりして捕まえます。急降下時の速度は390kmぐらいだそうです。私が小さいころ、散歩をしていた時に、目の前で飛んでいるすずめを後足でガシッと捕えていったのはすごい驚きだったのを覚えています。

 

ポイント5の説明

ここは夏の間は水田です。が、冬になると水がなく、雪が積っているのに白鳥が飛来します。田んぼの中を歩きまわって何か餌を食べていますが、何のエサかは不明です。白鳥は水の中を泳ぎまわっているイメージがあったのですが、雪の中をチョコチョコ歩く白鳥もまたちがったイメージで新鮮な気持ちになりました。

 

ポイント6 の説明

ここは馬を飼っている農家なのですが、農耕馬ではなく、年に一度、六月に行われるちゃぐちゃぐ馬っこの馬なのです。ちゃぐちゃぐ馬っことは蒼前様を信仰するお祭りで百頭ほどの馬が滝沢村の蒼前神社から盛岡市の八幡宮まで13kmの道のりを進行するお祭りです。馬のあでやかな飾り付けとたくさんの鈴が特ちょうです。歩くたびにチャグチャグと鳴る鈴の音が名称の由来です。

 

ポイント7の説明

キジはここだけに留まっているわけではなく、近りんの野原を点々としています。ときには親子で散歩している姿も見受けられます。東日本大震災以降この辺りでは地震がしょっちゅう起こります。ゆれ始めると、となりの犬とキジがワンワンケーンケーンとうるさく鳴き出します。正に桃太郎の世界だと思いました。ちなみにゆれ始める前に鳴くわけではないので地しん予知能力の方は期待できないようです。

 

ポイント8の説明

ウラシマソウは春の早時季に咲く不気味な花です。太い花穂から伸びる細長いひょろひょろを浦島太郎の釣り糸に見立ててこの名前を付けたそうです。秋に赤い実を付けますが有毒なので注意した方が良さそうです。別名は「蛇草」で、なんだか浦島太郎の上にヤマタノオロチでこの散歩の先を占っているかのように思えました。

 

ポイント9の説明

オニヤンマはトンボの中で日本最大のトンボとして有名です。このあたりはきれいな川が流れているのでたくさん生息しています。何度も捕まえようとしましたが、他のトンボに比べて飛ぶ速度が速いので毎度毎度逃げられてしまいました。ですが、飛行速度が速いオニヤンマでも一度だけ車にひかれて死んでいるのを見たことがあります。

 

ポイント10の説明

杉の小さな林にカラスウリのつるが巻きついています。花は夏の夜にひっそりと咲き朝にはしおれてしまいます。白くてふわふわとしてはかな気な花です。実は秋に赤いこぶしくらいの大きさのものがたくさんぶら下がります。冬に真っ白い雪の中に赤い実がなっている様子はとてもきれいです。

 

ポイント11の説明

祖父母が耕している畑には様々な野菜が沢山実っているのですが、たん精込めて作ったトウモロコシが一番美味しくなるころをねらって珍客が侵入します。タヌキです。タヌキはかしこく、一番食べごろのおいしいトウモロコシだけをもいで食べてしまいます。きっと夜中に証誠寺のタヌキ達のようにはらづつみを打ち鳴らして大えん会をしているのでしょう。祖父母は仕方無いなと苦笑いをしていました。

 

ポイント12の説明

畑のまわりにはカエルがたくさんいるのですが、そのカエルをねらってヤマカガシが出ます。ヤマカガシはおとなしいヘビですが、実は毒があります。かまれると死に至ります。今年の夏に見たヤマカガシはとても大きく長さが1m以上ありました。自分からは向かってきませんでしたが、かまれるとこわいのでお酒の好きなおじいちゃんがヤマタノオロチを退治したようにお酒を飲ませてやっつけたらいいのにと思いました。

 

ポイント13の説明

道路をはさんで向かい側の民家の後ろに広がる野原には恐ろしいマムシが住みついています。時々民家の庭にも侵入するため、マムシよけにタバコの吸い殻を入れた水をまいているそうです。マムシは有名な毒蛇。マムシにかまれると死亡することもあります。「たのきゅう」のように頭を使ってマムシとつき合っていきたいと思います。