受賞作品一覧

自然いっぱい散歩道

佳作
高橋 花怜
東京都
共立女子第二中学校
中学校2年生
第31回 中学生の部

全体説明

私が住む横浜市の青葉区にある寺家ふるさと村は四季を感じることができる場所です。小学校の頃、都内から引越してきて初めて遊びに行ったところでした。空気も良く、広い土地に豊かな自然がたくさんあって驚きました。休日になると多くの家族づれが訪れて元気に子供たちが、ザリガニや昆虫などを取っているところをよく見かけます。植物も野鳥も昆虫も本当にたくさんの種類がいて、じっくり観察すると時間がたつのが早いです。また、地元の野菜や果物もつくられていて、直売もされています。ふるさと村一帯に広がる田園風景を見たり雑木林の中にある遊歩道を歩いていると日常生活から放れ、ゆったりした時をすごすことができます。見たいと思った生き物に必ず会えるわけではないので、よけいに何度も行きたくなります。ここは公園や施設ではなく、地元の人たちの生活の場なので、このような自然の環境がいつまでも続いてほしいと思います。

観察ポイントごとの説明

①ふるさとの森の中にある熊の池にはヘラブナが、たくさんいて、釣りをしている人を見かけます。ヘラブナは、草食性で植物性プランクトンを主食にしています。池の水は、豊富な地下水を利用しています。ヘラブナの背ビレは、長くて大きく肩の部分が盛りあがっていて全体は、ひし形のような形をしています。釣っているところを見ていたら25㎝くらいの大きさでした。夏が一番おすすめの季節です。

②少し歩いた所に小さいけれど黄色くてかわいいダイコンソウが咲いていました。根生葉の状態がダイコンに似ていることから、この名がつきました。一本の茎が上の方で枝分かれして先の方に花がついています。日陰になる湿った山野や林道などに咲きます。丸い感じの花びらが印象的であちこちに咲いているのが見られます。

③林道の中では、白と黒のまだら模様で後ろの羽に小さな赤い模様があるアカボシゴマダラがいました。日本では奄美大島にしかいない蝶でしたが、最近では大陸から移入されたものが関東で増えているみたいです。ヒラヒラ、フワフワとゆるやかに飛ぶのが特ちょうです。樹液をエサとしていて、カナブンと一緒に樹液をすう姿を見かけます。他の蝶をおしのけている様子から蝶の中では強い方だと思われます。

④池につくとカワセミがいました。口ばしは長くて頭が大きく尾や足が短いです。なんといっても頭・ほほ・背中の青色が、とてもきれいです。色素ではなく羽の細かなつくりによるもので太陽の向きや強さの違いで色が多様に変化して見えます。カワセミは縄張りを持つ鳥なので近くにカラスが飛んで来たりすると少しいかくして、けいかいします。

⑤この辺りでは、たくさんの葉に穴があいているのを見かけました。農作物を荒らす害虫としてきらわれているマメコガネです。1枚の葉に複数集まって食べていることが多いです。昼間に活発に動きまわります。カメラを近づけると後ろ脚をぴんと上げたようなかっこうをします。葉がゆれたり、何かに驚いたりする時にでるポーズらしいですが、変わっていて面白いです。食べる事に夢中であまり逃げませんでした。

⑥林の中で腰ぐらいの高さの低い位置にニイニイゼミがいました。まだら模様の羽で灰色に茶色を混ぜたような体なので、まわりの木と同化していて初めは気が付きませんでした。小型でチィーとかジィーなど高めの声で、くり返し長く鳴いているように聞こえます。ぬけがらは丸っこくて泥がついています。複眼と前ばねの間に平らな耳のような突起があるのが特ちょうです。

⑦歩いていると、たくさんの種類の花が咲いていますが、ヤマユリはその中でも一番目立ちます。花の色は白色で黄色の節や紅色の斑点があり、ユリの中では最大級の大きさです。人々が歩く道ぞいに咲いていて、とても強い甘い花の香りがただよっていました。近くには水田が広がっていたり、小さめですがヒマワリ畑もあります。少しだけですが、ピンクのコスモスも見かけました。

⑧水田の脇の道を進んでいた時、突然目の前に何か黒くて大きなものがバタタタ…と小さな音を立てて飛んできました。最初は怖く感じましたが、葉にとまったので、よく見るとハグロトンボでした。少し大きめのトンボでひらひらと舞うように、はばたきます。とまっているときは、まるでチョウのように羽を立てた状態で重ねて閉じています。オスの体はメスの黒色と違って光沢がある緑色なので、とてもきれいです。

⑨背が、それほど高くない草の葉の上でアマガエルをみかけました。私はカエルが苦手ですが、これだけはかわいいと思います。前足が4本、後ろ足が5本の指があり、すべての指先に丸い吸盤があります。これのおかげで枝へ飛んだり垂直な面を移動できます。周囲の環境によって緑色から茶褐色に体の色を変えることができます。皮ふをおおっている粘膜からは毒が分泌されているため、もし触れたら手洗いした方がいいです。

⑩少し離れたところにいても、とても大きく存在感がありました。ダイサギは全長90㎝くらいあり飛んだら150㎝くらいに見えます。水辺や田んぼの近くに住み、魚やカエル、ザリガニなどをエサとします。長い口ばしと長い脚を持っていて飛ぶ時に首をS字に折り曲げます。昔に比べると田んぼが減ってエサとなる魚などが住みにくい場所に変わったためサギも以前より少なくなったので観察できて良かったです。