応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
環境大臣賞
第33回 中学生の部

心のオアシス~せせらぎの散歩道~

渡辺 杏奈

茨城県
茨城県茨城大学教育学部附属中学校
中学校2年生

全体説明

家から車で15分、水戸市の北西部に位置する、風景式庭園と呼ばれている場所が、七ツ洞公園です。そこは、大小5つの池から成り立っており、那珂川から汲み上げられた水がふんだんに流れています。フォーリーと呼ばれる古井戸を初めとした、山あいの公園には、珍らしい数々の古代ローマを思わせる建造物が建っています。池の周りには、沢山の植物、生物が活き活きと生活している姿が見られます。

もう一つのエリアは、秘密の花園コース、直径50mほどの円形の花壇には、バラを中心に、沢山の花が季節をとわず咲いています。山の谷間の起伏を利用した公園、中学生になった今、古代ローマを思わせる建造物に目を見張るようになりました。同じ公園でも私の成長と共に少しずつ、見る目が変化して来ましたが、自然を愛する思いは変ることなく小さい頃から続いています。そして、又弱そうに見える植物や昆虫もたくましく生きています。

観察ポイントごとの説明

ポイント① 丸い古井戸

映画テルマエ・ロマエのロケにも使われた丸い古井戸です。太い石桂と円形の天上にかこまれ、井戸をのぞくと、勢い良く水が流れています。美しい水音が聞こえる井戸のフォーリーは、ローマ時代を思わせる建物です。

この水は、カワニナやバイカモなどを育て、6月中頃にはホタルがまう姿が見られます。私はその姿に毎年の様に感動するのです。

ポイント② フォリー

フォリーと呼ばれる石でできた、丸い門。ローマの凱旋門を思わせる門。門の上にはシダがおいしげり、水回りには沢山のカエルが飛んでいます。周りには太い杉があり、静かにわき水も流れ、涼しそうにこけもはえています。つばきの実、くりの青い実、そしてこぶしの実がなっています。シャクナゲにはもうすでに来春のつぼみも見えます。

ポイント③ ダムA 石のダム

なぜかダムA~Eと言われる池の流れの上を大小数百の石がむき出しになって積んである石積ダムです。石の間を水が流れ、池は、あしや水草でおおわれ、水鳥もすみついています。池の中には大小沢山のコイが静かに泳いでいます。大きいコイで50cmほどもあります。暖かい石の上にはしおからトンボが羽を休めています。イトトンボは川を行き来して小さな昆虫達をねらっています。

ポイント④ ダムB 木橋のダム

足元で直接水の流れを感じる木橋を渡ると、池の真ん中に作られた、あずまやに行くことができます。そこから見る池の中には外来種のブルーギルが沢山泳いでいます。だれかがはなしたであろうこの魚は、繁殖力があるらしく、日本古来の魚達には、おそろしい存在です。水面に浮いている昆虫を食べている様子も見られます。外来種の魚に、日本古来からの風情をうばわれないよう考えたいです。

ポイント⑤ 洋風バーゴラ

池を渡ると木道があり、土手の階段を30段位登ると広いウッドデッキの上にバーゴラがあり、池を見下すことができます。太い杉林の中は涼しく、又、地面は沢山のシダでおおわれています。今はユリが目立ち、ギボウシのうす紫の花が涼しそうに咲いています。春に来ると、わらびやぜんまい、うどなど山菜が沢山みられます。うどには、おもしろい形をした実がついています。

ポイント⑥ ダムC 壁泉と15本の石柱

ダムCをわたると、突当りには15本の石柱、その奥に壁泉があり、龍の口から水があふれています。回りはナラやくぬぎそして山もみじなどの大きな木が茂り、ここではミヤマクワガタを見つけました。池の上には沢山のとんぼが飛んでいます。オニヤンマはいつも同じコースを飛んでいて、オニヤンマが止まっていた枝で待ちぶせをしていると捕まえやすく、おもしろいです。

ポイント⑦ 森の小道の白い鉄の橋

用水路からの水が勢い良く池の中に流れこんでいて、水路は土も石も流されて、固いねん土のようになっています。そこには、美しい白い鉄の橋がかかっています。頭上では、アブラゼミや、ひぐらし、カナカナ、ツクツクボウシなどが鳴いています。水路のそばでは、ハグロトンボが水を飲んでいたり、朝は、トノサマガエルやアマガエルの姿を見ることができたりしました。

ポイント⑧ 七ツ洞公園の名前の由来

ダムCとダムDの間の池のほとりに、古墳時代の遺跡である、“権現山横穴群”が残されています。この横穴は、現在は5つ存在しますが、昔は7つあったとされ、これが七ツ洞公園の名前の由来とされています。水位の低い時には、ダムDから見ることもできます。池の回りは木が茂り、春は山藤が花を咲かせきれいですが他の木を弱らせてしまう木です。手入れが悪い山では、急増してしまいます。

ポイント⑨ ダムD 階段状に流れる水

ダムCの中央には石の橋があり、その下は階段状になっていて、水が勢い良く流れています。石の欄干と二列の石段のコントラストが美しいです。そこには、とんぼが池の上を優雅に飛んでいます。この池には、ブラックバスが成長しています。やはり外来種で困った魚ですが、つり人の心をなごませています。カエルやイモリなど、動く物なら何でも食べます。土手にはトノサマバッタも見られます。

ポイント⑩ 木のバーゴラ

ダムDの突き辺りには、木のバーゴラもあり、ひと休みには、憩いの場です。私はここから見る大好きな景色を見ながら、いつもゆっくり休憩します。洋風のバーゴラの周りには、大きな木がうっそうとおいしげり、夏の陽をさえぎってくれます。ここからは、ダムDのカスケードが良く見えます。池にはアメンボが何匹もスイスイと泳いでいます。

ポイント⑪ ダムE 円形の白い建物

真っ白な円形の石のパビリオンです。ここには、せみのぬけがらが2つもついていました。回りには草や木が沢山あります。その草木の中には、1mほどの青だいしょうがいました。見つかると、すごい早さで木に登っていきました。青いうろこがギラリと光っていて、怖かったです。しかし、へびは、あまり見たことがないので、自然があふれている、と驚きました。

ポイント⑫ 田へと続くカスケード

勢い良くカスケードを流れる水の音、ここは何と表現すれば良いのか分からない。生がきが美しく活かされた造形で、3匹のライオンの口から流れる水の音をたどると、目の前に広がるのは広い水田です。広い水田は日本の農かな農村地帯、青々と広がる稲には、もう稲が実っています。那珂川からの水が、この地を豊かにうるおしているのだと思いました。まもなく秋アカネが飛びかう季節です。

ポイント⑬ 秘密の花園

直径50mのレンガと生けがきで、円形の花園には、バラを中心に、四季折々の花が咲きほこっています。園の中心の丸い鉄の日時計が、時をきざんでいます。私は特に、レンガ作りの堀にぴったりの巨大なパーゴラの花が好きです。生物と植物がたくさん見られる花園で、小さな昆虫が忙しそうにしている様子も可愛いです。小さな生きもの達は、年々数を増やし、季節ごとに様々な姿を見せてくれます。

ポイント⑭ 芝公園

桜が美しく咲き、もみじが紅葉する、自然がいっぱいの芝公園です。一面芝がきれいにはえていて、幼い頃良く兄とサッカーをしたり、犬の散歩をしたりしました。広い芝の上には、バッタやカマキリなどがあらわれます。桜の木にはセミが止まり、賑やかに鳴いています。ヒョウモンチョウ、アゲハなどが飛んで来て、自然がいっぱいの広場です。もぐらの穴も沢山有ります。赤い山ぼうしの実が可愛いです。

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