受賞作品一覧

虫・鳥好きの北山湿地観察ルート

優秀賞
岡本 航
愛知県
愛知教育大学附属岡崎中学校
中学校1年生
第31回 中学生の部

全体説明

北山湿地は愛知県岡崎市の中南部位置する標高170~190mの山間の湿地です。北山湿地は貴重な植物が多く生息しているところとして有名です。

僕がを初めて訪れたのは小学校4年生の時です。僕は昆虫と野鳥が好きで最初はギフチョウを見に行きました。その後も毎年4月にギフチョウを見に行っていたのですが、ある時にオオルリを見つけ、鳥もいることに気づきました。そしてその後は季節をとわず通うようになりました。通ううちに、パンフレットにのっていないいろいろなことに気がつきました。例えば北山湿地に行く途中の道路にも多くの自然観察ポイントがあったり、パンフレットには二種類しかのっていない鳥がもっとたくさにることなどです。

これらの気づきをまとめた結果ぼくだけの昆虫や鳥を中心にした北山湿地周辺の観察ルートができました。

観察ポイントごとの説明

①コースに入るとすぐ右に田んぼ左にわき水による水溜りがあります。4月、水溜りにはたくさんのアズマヒキガエルのオタマジャクシやヒメタイコウチがいます。溜りの上のコバノミツバツツジにはギフチョウがきます。すぐ横の林床にはギフチョウの食草であるヒメカンアオイがはえているので、裏を見るとギフチョウの卵があるかもしれません。冬、右にある田んぼでは、田を囲む針葉樹林からルリビタキのオスが出てくる事があります。

 

②①を通り田んぼに行く橋をわたるとすこし大きめの田んぼと森が見えます。4月ごろにここに来ると必ず左の大きなクヌギの木でオオルリがさえずり、森からはサンショウクイの声も聞こえます。森のスギのてっぺんでサンショウクイが鳴くこともあります。夏、道側にあるサクラの近くを数匹のタマムシが飛んでいます。また、田んぼはギンヤンマのなわばりになっているようです。

 

③川に沿って歩いて行くと、両側に針葉樹林が広がります。まだ木が小さいので、藪のようになっており、中にキビタキがいたりホオジロやウグイスが道を横切ったりします。横切る鳥たちはみな川に向かって飛ぶので、水浴び等をしているのだと思います。キビタキは8月になってもいるので近くで繁殖しているのだと思いますが、巣は一向に見つかりません。

 

④しばらく行くと、左側に森に囲まれた田んぼが見えてきます。ぼくは見たことはありませんが、最近イノシシがよく出るらしく、イノシシよけの囲いがしてあります。夏、この田圃はサシバの狩り場になります。いる時は右の林の木に止まっているのですが、警戒心が強くなかなかじっくり見ることができません。またふとイノシシよけのネットを見ると、タマムシが止まっていたりもしました。

 

⑤ここには左にすこしこんもりとした林があります。ここに7月ごろにくると、サンコウチョウが鳴きながら飛んでいるのが見えます。木の上にサンショウクイやオオルリもいます。なんとオオルリは、今年巣をアンケートのポストのひさしの下に作っていました。どうなることかと思いましたが、空の巣を見るとフンらしき物があったのでヒナは無事巣立ったようです。

 

⑥分かれた道を左に行くと、右に大きな木があります。この池はトンボの楽園で、7・8月に行くとギンヤンマ、オニヤンマ、コオニヤンマなどたくさんのトンボが見られます。池の中ではモツゴやメダカ等の魚もたくさん泳いでいます。対岸の木にはいつもセグロセキレイがいます。たまにアオサギも池の端で魚を狙っています。

 

⑦ここはぼくのお気に入りのポイントです。道の両側にオオミズゴケがじゅうたんの様に生えていて、木道の下には小川が流れています。小川にはホトケドジョウやシマアメンボがいます。8月上旬に行くと市街地よりも早くヒグラシが鳴き、木陰もあってとても気持ちが良いです。

 

⑧ここは湿地になっていて、オニヤンマがよく飛んでいます。 ⑦の小川が流れ込んでいるので、ここにもシマアメンボやホトケドジョウがいます。湿地の奥の林から小鳥の混群が回ってきます。なぜか混群は何回見てもエナガ、カラ類、メジロの順に通って行きます。夏、地面にはトンボソウが生えます。このトンボソウはその名の通り花がトンボの形をしている面白い植物です。

 

⑨ここは広葉樹林になっていて、メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、コゲラ等の⑧から回ってきた混群の通り道になっています。道の脇ではホタルのようなホタルガや、黄色いもんのあるキンモんがひらひらと飛んでいます。また、下を見るとニワハンミョウがいることもあります。

 

⑩ここには湿地を取り囲むように木道があります。入って左側のところでは夏にチョウトンボが飛んでいます。この場所はギンヤンマの縄張りにもなっていて、シオカラトンボ等のトンボが追い払われています。でもなぜかチョウトンボには見向きもしません。4月ごろにくるとここにもアズマヒキガエルのオタマジャクシがものすごくたくさんいます。

 

⑪ここが最後のポイントです。ここにはハッチョウトンボがいて、よく湿地の草に止まっています。このポイントの周りにはヘビが多く、運が良いと(悪いと?)たくさんのヘビが見られます。ぼくはこの木道を回る間にアオダイショウ、マムシ、ヤマカガシと3種類ものヘビを見たことがあります。⑩にはギンヤンマがいますが、ここには小川から湿地にかけてオニヤンマの縄張りがあり、境界線をめぐってよく戦っています。