応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
佳作
第27回 高校生の部

私の散歩道~旧京街道にて~

旗谷沙織

兵庫県
兵庫県立出石高等学校
高校1年生

全体説明

 私が生まれてから十五年間住んでいるところは、弘道校区の西部に位置する谷山区です。昔は京街道のある地区として盛えていましたが、今となっては新しい道が他にでき、人通りは少なくなっています。そのかわり、多くの自然がこの地区にはあふれています。両端を山ではさまれているので、シカやイノシシを始めとする動物や、スズメやツバメなどの鳥類、カブトムシやトンボなどの昆虫などたくさんの生物が生きています。よく夏になると、蛍がたくさん出てくるので、地区の空き地で「ふるさと開発」と題して蛍祭りもしていました。私も小さいころその祭りに行った覚えがあります。近所の小さな子と、満天の星の下、蛍めがけて一緒にかけっこしていました。また、私が家の中にいる時でも、外にいる時でも、自然の声が発見できます。アブラゼミの鳴き声。うるさいと感じることもあるけど、夏のおとずれをしみじみ感じもします。そんな自然あふれる谷山区をご紹介します。

観察ポイントごとの説明

(1)シカ

 体長九十~二百センチメートル、草や木の葉を主食とし、何頭かの群れで生活しています。愛らしい姿とはかけはなれた、田畑を荒らす姿は私にとって、とても凛凛しく感じることがあります。オスにはメスにはない立派な角があり、よく山中に落ちています。今現在では、家に約五本ぐらい保持しています。よく夜になると「ピーッ」とかん高い鳴き声を耳にします。とても身近に感じられる存在です。

 

(2)スズメバチ

 雌の体長は約四センチメートル、働き蜂は約三センチメートルで、胸部が黒褐色、腹部は黄褐色で黒い横縞があるのが特徴です。私は家の軒下に丸っこい、シマシマ模様の物体を見つけました。そのまわりには、ミツバチなその通常の蜂より、ひとまわり大きな蜂が、その物体を守るように飛んでいました。近づくと危ないので、それ以上近づきませんでしたが、あれは巣だったのだと分かりました。それ以来、巣には近づかないようにしています。

 

(3)ツバメ

 四月の終わり頃から、いつものごとくやってきました。翼の長さは十~十二センチメートル、背面は大体黒青色、腹部は白色、頸部は褐色が特徴のツバメです。そして今、去年の巣に、また今年も住みついていました。私が観察する頃には、もう空高く、この地を去ろうとしていました。群れて空を飛んでいる姿は、親から餌をもらう雛の姿ではなく、立派な大人な姿に感じられました。また来年もこのツバメ達がやって来るといいですね。

 

(4)アオサギ

 私の通う出石高校の近くに、常にとまっているのがアオサギです。サギの一種で、全長約一メートル背面が灰色で翼は青黒色、後頭に青黒色の長い飾り羽があります。私は、じっとしているアオサギを見て気がつきました。プールの塀にとまっているアオサギは、その前の川にいる魚をねらっているのではないだろうか、と。ただ休んでいる訳ではなくて、一生懸命えさをとろうとしているんだと初めて気づくことができました。

 

(5)カメ

 川をのぞいていると、端に岩のような甲が目につきました。体に背腹両面に甲羅があり、両甲は側面で接着して、前後で頭・尾・四肢が出入りできる箱状になっています。歯はないので、主に植物や魚貝を主食としています。また日本では鶴と同様、長寿の動物とされています。私が目撃したカメは、祖母によると日光浴中だったそうです。でもこんな暑い日に、はたして日光浴なんてしても大丈夫なのかと心配になりました。

 

(6)ヒマワリ

 太陽に向って咲いている姿は勇敢で立派に感じられました。枯れてはいるものの、体長は大きいもので二メートルを優に越え、私の身長よりもだいぶ高かったです。今年の猛暑のせいで、日焼けが激しく、枯れるのもとても早く感じました。なので観察した八月の始め頃には、もうヒマワリの種を採集することができました。私は、この種たちが、来年芽を出し、また暑さに耐えて咲く姿を思い浮かべると、その強さに圧倒されました。

 

(7)イノシシ

 父いはく、野生のブタが獰猛になった動物なんだそうです。体は太く、頸は短く、吻が突出しているのが特徴です。日本産は頭胴長が約一、二メートル、尾長二十センチメートルと思っていたより大がらでした。私は田んぼにイノシシの跡を見つけたことがありました。その跡からは荒々しい、凶暴な姿がうかがわれました。しかし、昔車で夜道を走っていた時、子づれのイノシシを見ましたが、その時は不覚にもかわいいなと思いました。

 

(8)アナグマ

 側溝の中にものかげがあったので、のぞいてみると、そこには鼻のとんがった、足の短い動物がいました。頭胴長約五十センチメートル、尾長二十センチメートルで、背は褐色、腹は黒色なのが特徴のアナグマです。一見、タヌキに似ていますが、四肢が短く頑丈で、爪が大きいようです。アナグマは名の通り、洞穴などの穴を住みかとするそうです。なので、私は側溝にいるのはめずらしいなと思いました。

 

(9)ヘビ

 石垣の間から出てきた、長いホースのようなものが、くねくね曲がりながら進んでいました。舌が細長く、先端は二分され、小動物や鳥、鳥の卵を食べるヘビです。ヘビは爬虫類の中でも最も特殊な体型をもっているそうです。すなわち体は円筒形で細長く、少燐で瓦状に覆われ、肢や肢帯はありませんが、原始的なメクラヘビやボア類には後肢の痕跡があるそうです。ヘビは近づくと目にもとまらぬ早さで逃げてしましました。

 

(10)アブラゼミ

 夏になれば「ジーイジーイ」といつでも聞こえる鳴き声が聞こえてきました。雄の体長は約四センチメートル、体は黒色、腹背に白色の鱗毛があるアブラゼミです。翅は不透明の暗褐色で雲状の少模様を持つのが特徴です。私が学校から帰る時でも、よく頭上を飛んでいるのを目にしていました。この短い命と代表されるアブラゼミは、夏の間一生懸命鳴いています。その声を聞いて、私は夏の暑さをしみじみ感じることができました。

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