受賞作品一覧

小学校の遠足で行った散歩道

佳作
堤千穂
兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生
第28回 高校生の部

全体説明

私の卒業した大塩小学校では、毎年新一年生が入学して来ると、全校生徒で近くの日笠山に歓迎遠足に行きます。

 六年生と一年生がペアーになって一緒に行動します。

 日笠山は、大塩町の東の端にあり、反対側高砂市になります。標高は六十二メートルで丘の様な山です。

 皆でお弁当を食べ、楽しく遊んだ事を思い出します。

 日笠山に登り、北に歩いて馬坂峠まで進みのじぎくの里公園まで下ってくるので約二キロメートルのハイキングコースになっています。途中、アップダウンも多いので、少ししんどいかもしれませんが、朝早く涼しいうちにゆっくりと歩くのがいろいろなものに出会えるのでおすすめです。

観察ポイントごとの説明

(1) 岩神社

 家を出て東に進むと岩神社の前に出ます。その前を通って日笠山に登ります。

 この神社には、菅原道真公西遷の途中に当地に立ち寄られた時に、休憩のため腰をかられた腰掛岩と呼ばれている石があります。小さな神社ですが、桜の木がたくさん植えられていて、夏にはミンミンゼミがたくさん寄って来ます。その鳴き声の大きさにはびっくりします。

 

(2) 日笠山を少し登って行くと四〇〇〇平方メートル程ある段々畑があります。ここは秋になるとのじぎくで一面が真っ白になります。

 一度は減少していたのですが、自元の自治会と小学校の子供達が協力して立派に育てられています。大塩はのじぎくをとても大切に思っています。

 のじぎくを守っていこうと地域全体で頑張っている事はとても素晴らしいと思いました。

 

(3) 日笠山の頂上

 南側では大塩町が一望でき、そこには。春になるとソメイヨシノの桜の花で、一面がピンク一色になります。山陽電車の電車の中からもよく見えて、とてもきれいです。

 戦争中は、桜の木を切って芋畑になっていたそうですが、大塩の皆の手で再び植えられたそうです。花見客でとても賑わいます。

 私はこの季節の日笠山が一番好きです。

 

(4) 日笠山の頂上には大きな木がたくさんあり、まるで自然公園の様です。

 何種類かの鳥の鳴き声が聞こえてきます。以前、野鳥の調査を行った時に、最も多かったのがヒヨドリで、次にメジロでした。近寄って見る事ができなかったので、どの種類の鳥の声を聞いたのかはよく分かりません。でも、大自然の中でのんびり聞く事の出来る最高の場所だと思います。

 

(5) 夫婦岩

 日笠山の頂上から北に少し進むと、大きな岩と、それより少し小さい岩が並んでいます。仲良く向いあっているところから夫婦岩と呼ばれています。

 昔は、ここからの展望もよかったそうですが、今は大きな木に囲まれて、あまり見はらしはよくありません。

 その岩の上を、二羽のツバメが仲良く飛んでいました。夫婦ツバメかもしれません。

 

(6) もう少し北に行くと、少しアップダウンのきつい道になってきます。その道の横には大きな竹ヤブがあります。竹のこを近所の人がよく採りに行くそうで、頂いて食べたことがあります。この場所には“起き上がり古木”と呼ばれている長い間たおれたままの木が、知らないうちに起きあがったと言われていて、神の力を感じる木です。

 

(7) 馬坂峠をまっすぐ下るとこの散歩道も終りに近付いてきました。秋にはのじぎくで一面が真っ白になりたくさんの人が見物に来られます。峠の一番最後には大塩の発展の為に努力された千葉村長の石碑が建てられています。

 今の時期は、山鳥の声もたくさん聞くことができますが、大きな池が近い為かシオカラトンボがたくさん飛んでいます。

 

(8) 穴虫池

 この池は、父の子供の頃よく釣を楽しみづいたそうですが、今は危険なので禁止されています。よくカルガモの親子が泳いでいたのを見た事があったのですが、最近はあまり来なくなった様です。段々、減少しているそうなので見ることができて、とてもラッキーでした。

 

(9) 大池

 ここではとてもめずらしいオニバスを見る事ができます。スイレン科の水草で、葉は大きく葉脈には鋭いトゲがあります。夏には赤紫色の花を咲かせます。私も何度も見た事があったのですが、久し振りに行ってみると葉も小さく一面にあったオニバスが少しだけになっていました。空いた水面をアメンボが泳いでいました。水質の悪化の為なのか、ちょっと残念です。

 

(10) のじぎくの里公園

 のじぎくは明治十七年、植物の牧野富太郎博士によって命名されました。大正十四年に大塩に来られた時に大群落を発見。全国にも知られ、昭和三十年には兵庫県の県花に指定されました。

 この公園ではとてもめづらしいきばなのじぎくを見る事ができます。とてもきれいでした。