受賞作品一覧

自然観察の森 ~自然を満喫する~

優秀賞
四海香佳
兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生
第40回 高校生の部

全体説明

私の家の周りには、駅やスーパー・コンビニ・病院など、便利な施設が沢山あります。私が幼いころは、家のうらにあった幾つもの田んぼが、今では見渡す限り家やマンションに変わっています。
自然観察の森は、身近な自然の喪失が進む地域において、自然に親しみながら、自然を大切にする気持ちを育めるようつくられた施設です。この施設は全国に十ヶ所あり、その内の一つが私が住む姫路市にあります。「姫路市自然観察の森」は約六十ヘクタールの面積の中に約八キロメートルの観察路があり、動植物の資料展示が行われている「ネイチャーセンター」で森の見どころを聞き、自由に散策出来ます。
小さい頃、家族で自然観察の森に出掛け、自分たちで生き物を見つけた時の楽しさは、今でも忘れることができません。
今回は、自然観察路の森にいる夏の生き物たちを紹介します。

観察ポイントごとの説明

<1 ナツアカネ>
体長33~43ミリメートル。成熟した雄は、全身真っ赤になるため、「赤とんぼ」として有名です。雄は、背中側が赤くなるトンボと赤くならないトンボの二種類に分かれています。アキアカネとの見分けが難しく、胸部側面の黒条や身体の赤みの違いによって見分けるそうです。しかし、その場にずっと止まっているわけではないので、私もすぐにナツアカネを見分けるのは難しかったです。

<2 タマムシ>
体長30~40ミリメートル。タマムシ科の昆虫は世界で約2万種、日本では200種類以上が記録されています。タマムシの綺麗な羽根は光の反射によって見える構造色というものです。これは、CDやDVDの裏面などと同じ仕組みで、タマムシは死んでも美しい羽根の輝きを失うことはありません。木の高い所を飛び回っていましたが、魅力的な体を目印にすぐに見つけることが出来ました。

<3 オニユリ>
背丈1~2メートルほどの大形のユリ。花弁はそっくり返ったような印象的な見た目をしています。斑点のついたオレンジ色の花びらが鬼を連想させるとして、「オニユリ」と名付けられ、別名の「天蓋百合」は花弁の反り具合から付けられたそうです。ユリといえば白やピンク色を想像する私にとって、斑点がついているオニユリは新鮮でした。また、食材である「ゆり根」の存在を初めて知り、食べてみたいと思いました。

<4 オオルリ>
全長16~17センチメートル。寿命は短いことで有名で、約5年ほど。オオルリの鳴き声は「ピール―リーポピーリピピギッギッ」と聞こえ、ウグイス・コマドリとともに日本の三鳴鳥の一つに数えられています。2、3年で背中から尾にかけて奇麗な瑠璃色と白色の腹になるオオルリは雄だけで、雌は頭から尾にかけて茶褐色、喉と腹が白色で胸と脇が褐色なのが特徴です。雌はキビタキと似ていて、見つけられませんでした。

<5 コゲラ>
全長15センチメートル。日本固有種で日本最小のキツツキでもあります。雄より雌の方がやや大きく、「ギィーギィー」という独特な鳴き声で鳴きます。「キツツキ」と聞けば馴染みのある名前ですが、実は日本にはキツツキという名前の鳥はいません。日本に住むキツツキの多くは名前に「ゲラ」が入っており、名前に「キツツキ」が入った鳥は海外にしかいないのです。

<6 オオシオカラトンボ>
体長50~61ミリメートルでトンボ科最大級のサイズ。シオカラトンボは、腰から下が急に細くなっていますが、本種は尾の先までほぼ同じ太さ。オスは濃いめの水色で、メスはくすんだ黄色をしています。名前につく「シオカラ」は、成虫のオスが「塩」のような白い粉を吹く姿が塩昆布に似ていることが由来とされています。オオシオカラトンボを見つけた時の身体の白い正体は、粉だったことに衝撃でした。

<7 ミツバアケビ>
「アケビ」は葉が5枚で実が生り、花が白色っぽいのに対し、「ミツバアケビ」は名前通り葉が3枚で実が生り、花は濃い茶色です。アケビの仲間は、果実が熟すと割れて中の果肉が見えるようになり、その姿を「開け実」と呼んでいたことが名前の由来です。果実は約10センチメートルの長楕円形で、熟すと鮮やかな紫色を帯び、ぱっくりと縦に裂けます。発見時は皮が割れていなかったので、完熟するのが楽しみです。

<8 サギソウ>
夏の季語にあげられるほど昔から身近な植物で、白鷺が両翼を広げて舞っているような姿をしています。初めてサギソウを見た時は思わず二度見してしまったほど美しい花です。姫路市では、市のシンボルである「白鷺城(姫路城)」に相応しい花として、サギソウが姫路市の花に制定されています。市のシンボルであるサギソウが減少するのは悲しいので、生分解性プラスチックの利用を増やすなどして自然を守っていきたいです。

<9 ニホントカゲ>
全長16~25センチメートル。ニホンカナヘビとの違いは、ニホントカゲの鱗は金属光沢を持ち滑らかですが、ニホンカナヘビの鱗は光沢が無くザラザラしています。天敵に襲われそうになった場合、尾を自切することがあり、切り離された尾はしばらく動き回り、外敵の注意を引く働きをするそうですが、自切は生涯で一度しか出来ない反射運動。ペットショップではなく野生のニホントカゲに出会えた時は興奮しました。

<10 ジャコウアゲハ>
ジャコウアゲハは姫路市の蝶に選ばれています。幼虫が食べるウマノスズクサには毒性があり、それを体内に取り込むことで鳥などに襲われるのを防ぎます。蝶は黄色い独特の姿をしていて、糸を吐いて作る帯で頭を上にして木の幹などつきます。その姿が後ろ手に縛られ吊り下げられている女性のように見えることから、播州皿屋敷のお菊にちなんで「お菊虫」と呼ばれます。私が通っていた小学校では、ウマノスズクサを栽培し、ジャコウアゲハを増やす取り組みが行われていました。休み時間に、幼虫が元気に育っているか何度も確認しに行ったり、友達と羽化するジャコウアゲハを見守って感動しあったりと、蝶を大切に育てたことは今でも鮮明に覚えています。それから、街でジャコウアゲハが生き生きと飛ぶ姿を見かけると、なんだかうれしく感じます。姫路市でジャコウアゲハを増やす取り組みは、これからも継続してほしいです。