受賞作品一覧

ぼくの通学路 川の生き物観察

環境大臣賞
石川睦紀
愛知県
愛知教育大学附属特別支援学校 高等部
高校1年生
第40回 高校生の部

全体説明

紹介するのは、僕の通学路です。学校は4月からですが、道を覚えて一人で学校に行けるようにするために、3月からこの道を歩いています。通学路は伊賀川ぞいです。伊賀川は一級河川矢作川水系乙川の支流の小さな川です。岡崎城の西側を流れるこの川は、通称伊賀川桜堤と呼ばれ、観光名所になっています。地元の方が川の手入れをしていて、とてもきれいな川です。僕の歩く所は岡崎城からはなれているので、桜が満開の季節でも、近所の人が散歩するくらいで、普段からあまり人はいません。朝夕は僕と同じ通学に利用する学生がたくさんいますが、自転車通学が多いせいか、このきれいでたくさんの生きものがいる川をのぞいたりしません。僕は練習の時、この道がとても楽しくてきれいだったので、初めて歩いた時は往復で一時間もかかってしまいました。こんなにも歩くのが楽しくて気持ちよくて、のんびりする道をみんなに紹介したいと思います。

観察ポイントごとの説明

<1 カルガモ>
伊賀八幡宮に向かう赤い橋の下にカルガモの番いがいます。中洲のふちの流れがゆるやかな所にいつも2羽でいます。カルガモは留鳥で一年中見られますが、夏が近づくとどこかに移動しました。

<2 ハス池>
伊賀八幡宮は、徳川家康が必勝祈願をした徳川家の武神・開運の勝神様です。石の鳥居をくぐった目の前にハス池があって、池の中央に国の重要文化財の神橋(石橋)がかかっています。6月下旬から7月いっぱい大きなピンク色の花が咲きます。小さな池ですが花の時期は多くの人が訪れます。花だけでなく香りも楽しむのがおすすめです。

<3 アオサギ>
雨の日に必ずやってくるアオサギ。アオサギは日本のサギで最大です。中洲の草むらから首をのばして魚をねらう姿が見られます。大きなサギのエサをとる姿は迫力があります。

<4 カワウ>
同じく雨の日にやってきて、にごった川をザブザブ泳いで潜ったりしています。荒れた大雨でも必ず来て、下流から上流に向かって泳ぎます。雨が上がってからは二、三日滞在して中洲の砂地で寝そべって体を干してます。

<5 コイなどの魚たち>
浅くてきれいな川は、川底の砂まで見えるので、魚の形や色・模様まではっきり分かります。それで泳いでいる魚の種類がすぐ分かります。これはとてもすごいと思います。水族館で魚を見ているのと同じ位のことだからです。大きなコイを先頭に小さな魚が列を作っています。夏が近づくと婚姻色が出てきて、種類がより分かりやすくなります。秋が近づくとアユがやってきて、改めて水のきれいさが分かります。

<6 ニホンイシガメ>
ニホンイシガメは日本固有種で、その名前は学名でもあります。この川はニホンイシガメが暮らすのにとても良い条件がそろっています。折り返し地点の石神橋の上から、日向ぼっこをしている姿を見つけました。この橋の下から川は急に深くなり、流れも速くなります。話し声に気づくと、ニホンイシガメは川に飛び込んで橋の下の中州のコンクリートと石の間にかくれます。朝、日が昇って暖かくなってくると、この石の間から出てきて、排水のトンネルの下のコンクリートの陸地にあがってきます。この様子からこの場所に住み着いていることが分かります。ニホンイシガメは、準絶滅危惧種です。この川には産卵に適した場所が見当たらないのだけが、残念です。

<7 イソヒヨドリ>
石神橋を折り返すと、きれいな鳥のさえずりが聞こえてきます。海辺にいるといわれるイソヒヨドリが、屋根や電線で鳴き交わしています。この辺りにはたくさんいるようです。赤と青の鳥は見つけやすいので、探してみると楽しいです。

<8 アカミミガメ>
梅平橋近くを橋に向かって泳いでいました。外来種、やっぱりいた! と思いました。

<9 ヤエザクラ>
ソメイヨシノが散った頃に満開になる濃いピンクの桜です。ヤエザクラを知らなかったので、初めて見たときはバラの花かな、と思いました。

<10 ヤマザクラ>
ソメイヨシノに似ているけど、色が白っぽく、花と葉が同時に出るのでヤマザクラです。真っ黒な小さいサクランボがたくさん落ちてくるので、梅平橋の周りは黒くなります。スズメやヒヨドリがサクランボを食べに集まってにぎやかです。

<11 カワセミ>
川の上を行ったり来たり一直線に飛んでます。見やすいポイントは3カ所で、絵地図上に番号と同じ色のシールを貼っています。神橋の所では、コンクリートの法面に垂れ下がった枝に留まります。伊賀小橋のそばでは、桜の切り株に留まっています。梅平橋の下では、魚をとってエサを食べている様子が観察できます。飛ぶ時は必ず全部の橋の下を飛びます。きれいでともて目立ちます。

<12 ニホンスッポン>
川の真ん中をのんびり泳いでいます。見られるポイントは3カ所で、絵地図上に番号と同じ色のシールを貼っています。のんびり泳ぐときは頭の上を水の上に出しています。物音に敏感で驚くとものすごい速さで泳いで砂や草かげにかくれます。3カ所で見られる個体の大きさが全部違うので、この川で繁殖していることがわかります。

<13 シジュウカラ>
シジュウカラは道沿いの民家の植木の中から、4羽のヒナを連れて飛び出してきます。桜の花の中にとまってエサやりをする姿がかわいいです。

<14 モクズガニ>
大きなカニが神橋の下をくぐって上流に向かって水中を歩いて行くのが見えました。ハサミの特徴からモクズガニです。季節的に繁殖の時期で、仲間と大集合するために上流に向かっているのだと思います。

<15 アオダイショウ>
川の中を泳いでいる姿を初めて見ました。とても大きなヘビでした。川はヘビのエサもいっぱいです。アオダイショウも日本固有種です。

<16 ハグロトンボ>
8月になると羽根と体をキラキラさせてたくさん飛んでいました。きれいな川の証拠です。

<17 アオスジアゲハ>
暑くなってくると、数が増えてきたようです。川の浅瀬の砂地に集まって、給水しています。伊賀八幡宮に、食草のクスノキがたくさんあることも、神橋の周りにアオスジアゲハが多い理由かも知れません。

<18 桜のトンネル>
川の中も道路も、桜の花のトンネルになります。上も下も右も左もピンク色で、落ちてくる花びらをうれしくてつかまえながら歩きました。種類の違う桜が植えられているので、長く花が咲いています。橋の上から上流を見るととてもきれいです。5月には橋の下に鯉のぼりがつるされています。