受賞作品一覧

春夏秋冬 私の周りの美しい自然2

環境大臣賞
桑田 菜摘
兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生
第36回 高校生の部

全体説明

私の住む姫路市勝原区は、北東に天満山、東に京見山、北西に檀特山、西に朝日山また、南には徒歩1時間半ほどで播磨灘につくことができます。そこに流れてこむ大津茂川、西汐入川があります。それらの川の水を利用し、キヌヒカリなどの銘柄のお米を作り、畑で野菜を育てたり、イチジク、網干メロンを作ったりする家がたくさんあります。
今年、私の家ではブラックベリーの枝がたくさん伸び、初めて見る虫を観測できました。ゴーヤ、きゅうり、ヘチマ、おかわかめのグリーンカーテンも作りました。ナス、オクラをプランターで栽培もしています。
絵の右端は家の周りの、雑草や昆虫を描きました。左端は、大津茂川に訪れた、水鳥の大群の様子を描きました。また、観察した動植物の季節がわかるように月日を記入し、珍しくその日に見ることができたという思いを込めて描きました。気にしていなかった街路樹にも焦点をあてて違いを描きました。

観察ポイントごとの説明

①  家の周りに来るアゲハ蝶、サトクダマキモドキ、ツマグロキチョウ、イソヒヨドリです。グレープフルーツの種が3年で小さな木になりアゲハ蝶が卵を産みつけに来ます。キアゲハとアゲハは成虫の時は違いが分かりにくいのに幼虫の最終齢の姿が全くことなります。サトクダマキモドキは初めて見ます。全身がきれいな緑色のキリギリスの仲間です。翅は葉の形に似ています。物干し台に乗っているのを見つけました。キョウチクトウなどの木で見つかることが多いそうです。ヘクソカズラの葉を食べるそうです。ツマグロキチョウは絶滅危惧種です。しわが多い羽なのでモンキチョウとは違う気がしました。イソヒヨドリは、家の庭の万両の実を食べに来ました。暗いところでは色がはっきり見えなかったのですが、堀の上にとまると青いハトのように見えました。六月頃には綺麗なさえずりの声を聞きました。また雌には胸にうろこのような模様があるのが特徴で雌雄が異る鳥です。

②  朝日谷橋の下にはイワツバメがいます。五月頃から七月まで、忙しく飛び回っています。巣を見ることは出来ませんでしたが、橋のたもとで休憩している姿は観察できました。少し小さいツバメです。

③  大津茂川の水面にはカワセミ、オオバンがいます。カワセミは、水辺に生息する小鳥です。二月頃に一瞬でしたが青く光る鳥が、川岸から一直線に水に飛び込む様子を見ました。オオバンは二羽初めて大津茂川に現れたのを見ました。カラダ全体が真っ黒で嘴と額が白い水鳥でつる目に属していることに驚きでした。正直カモかと思ったぐらいです。水かきがカモと違い、指の両側が平たく広がった構造になっていて色は青緑色だそうです。

④  川岸には雑草が7月の草刈りまで伸び放題です。その中でも白く咲くノイバラがとても綺麗です。山野に多いバラ科の落葉低木で、枝にトゲがあります。奇数羽状複葉で白い花には、おしべがたくさんあります。

⑤  大津茂川の中にできた島では、キツネが長い顎を背中に乗せて寝ているところを発見しました。キツネに遭遇したのもこの時が初めてです。姫路駅周辺では目撃多数あるようです。ヌートリアは自然そのままの島の川岸で見ました。橋の上を横切った時に遭遇したこともあります。しっぽがとても長かったのが印象に残っています。

⑥  川の周りの木々にとまる鳥たち、モズ、ホオジロ、ジョウビダキです。モズの食性は動物食で、昆虫、小型の鳥も食べます。モズのはやにえがよく知られています。庭の木に虫が刺さっていたのもモズのしわざでしょうか。ホオジロは雑食性で、昆虫や種子などを食べます。スズメ目なので絵にしても雀に似ています。ジョウビダキもスズメ目で、冬に見られる渡り鳥です。雌雄の色が異なる鳥です。

⑦  民家に巣を作るツバメはイワツバメより大きく、巣作りした家の前の電線によくとまっています。八月中旬の今でもヒナの鳴声がします。

⑧  街路樹では、皆同じだと気にも留めなかったシャリンバイ、トベラとツツジです。皆、切りそろえられ、緑の葉だけだと違いにきづかず通り過ぎますが花が咲いたり、実がついたりして美しさに感動します。シャリンバイのバイは梅の意味で梅の様な花が咲きます。トベラは実がはじけると赤い種が綺麗です。交互に植えているツツジも四月頃から開花しさつきはツツジの後に咲き始めます。

⑨  西洋キンシバイ、こちらも街路樹低木です。オトギリソウ科で、地下茎を伸ばして広がります。葉は対生し偶数羽状複葉。花は黄色で大きく密にたくさんの長いおしべがあります。六月の花が咲くころが見ごろです。

⑩  イオンモール姫路大津店の周りです。木を植える取り組みをしているイオンの周りは、森のような所もあり鳥の鳴き声がします。ヒヨドリが目の前をかすめアベリアの蜜をなめていました。ホバリングしている様にみえました。七月、アベリアの花には、沢山のジャコウアゲハが集まっていました。ジャコウアゲハは姫路市の市蝶です。ジャコウアゲハがとびかう市づくりをしているようです。