応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
優秀賞
第35回 高校生の部

員弁の道を歩む

奥田 愛矢

大阪府
関西創価高等学校
高校1年生

全体説明

幼少の頃、母と共によく散歩していた員弁の道、久しぶりに故郷に帰り歩んでいると今まで目につかなかったバッタなどの小さな虫やキバナコスモスなどの道端に生える花々を見つけ出せ、自然の魅力を再発見できた。それがこの道を選ぶきっかけとなった。視点ががらっと変わり生き物の様子を観察しているとそれぞれの生き方の工夫も発見することができた。例えばイタチを発見したとき、写真を撮ろうと準備をしていると、すぐに草の中へ走って隠れてしまった。これは外敵からすばやく身を守ろうとするイタチの知恵だと感じた。そして自然観察を通して今まで気にすることもなかった生物の種類や、なぜ生物達がそのような行動をとるかなどについて改めて考えることができ、新たな視点も得ることができとても良い経験となった。僕はこれからより自然を意識して生活を送ろうと思う。

観察ポイントごとの説明

(観察ポイント①『色を自在に操るアマガエル』)
森の付近では、二色のアマガエルを見ることができる。森の中や近くの田んぼにいるアマガエルは主に黄緑色をした個体が多いが、森の近くにある道路やブロック塀には灰色の個体が多い。このときアマガエルが場所によって変色し、周りの色と同化できることを知り驚いた。

(観察ポイント②『セミの集う林』)
ミンミンゼミをはじめ、アブラゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシなども見られた。特に、その林ではミンミンゼミの鳴き声が一番多く聴こえ、そのことについて地域の方々へお聞きすると、以前はクマゼミが一番多くいたという。このことで林での木の遷移や何らかの環境の変化があったことが分かった。これがもし人の手による木の伐採などで変化してしまったのなら、自然と人間が共生する方法を深く考えるべきだと思うし、僕も資源を大切に使っていくという身近な所から自分を見つめ直したい。そして個人での活動だけではなく、地域の方々とも協力して全員で自然について視野に入れて考えることが大切だと思う。

(観察ポイント③『開けた場所に飛んでいるノシメトンボ』)
 開けた場所にノシメトンボ、モノサシトンボの二種が主に飛んでいた。特にその場所にはノシメトンボが多く、植物にとまってじっとしている個体もいれば、せわしなく飛び回っている個体もいた。観察したトンボは枝にとまっており、これは餌を探していたり、休んでいたんだろうと思う。

(観察ポイント④『アブラゼミが優占種』)
ポイント①とは別の林でアブラゼミが多くいるであろう林を発見。ジィージィーという鳴き方がすごく特徴的であった。ここの林に落ちていた抜け殻を観察してみると、ポイント①での抜け殻より少し小さかった。多分ポイント①では成体の大きさを比較するとクマゼミのものであっただろうと思う。

(観察ポイント⑤『花の周りを飛ぶキアゲハ』)
花の近くを飛び交っていたキアゲハ。始めアゲハとの区別がつかず調べてみると前肢の付け根の縞模様がはっきりしない方がキアゲハということより、キアゲハであることが判明した。

(観察ポイント⑥『森の近くで飛ぶコチドリ』)
始めスズメかと思ったが、スズメにしては足が長く鳴き声が明らかに異なったため、コチドリであることが分かった。スズメなどと違い、単体でいたため、鳥の種類によって生活の仕方が異なるんだと思った。

(観察ポイント⑦『草の中にすぐ隠れたイタチ』)
イタチを目にした時、すごく驚いた。ただすばやく草むらに隠れてしまい、警戒心が強い動物なんだと再認識した。イタチかテンかはテンの大きさが大きいため、見かけたときは小さかったため、そうして判断した。

(観察ポイント⑧『森の中に響く鳩の鳴き声』)
鳩の姿をとらえたのは一瞬だったため、種類は特定できなかった。家の近くではあまり見かけず森の方によくいることがわかった。

(観察ポイント⑨『田んぼの周りを飛び交うトンボの群れ』)
田んぼの上を群れになって飛んでいた。腹部に黒と青色が交互になっている模様がありこれが名前の由来だったのかと納得した。ここにはモノサシトンボしかトンボではいなかった。

(観察ポイント⑩『アメンボの群れ』)
田の近くの用水路にアメンボが集団で生息していた。水面を集まって移動しておりここ以外にも水辺に生息していることもあった。

(観察ポイント⑪『花に集まる蝶の群れ』)
ここではモンシロチョウが群れで飛んでいた。春にしか活動しないイメージがあったため少し驚いた。モンシロチョウはコスモスの周りでよく確認でき、吸蜜中のチョウもいた。

(観察ポイント⑫『草むらに潜むトノサマバッタ』)
ここの草むらでは芋虫、キリギリスなど他の生物も多く確認できた。トノサマバッタは以前家の周りでも見られたが、最近では中々見られなくなってしまった。近くの空き地に家が建ったりすることで住みかを奪っていっているのだと思うと胸が痛い。

(観察ポイント⑬『日陰をすばやく這うトカゲ』)
 道路の交差点の日陰の所にニホントカゲの姿があった。尻尾の方が青く輝いており綺麗だった。全体が茶色のニホンカナヘビもいた。

(観察ポイント⑭『道端に咲くコスモス』)
道路の端に咲いていたキハナコスモスにはモンシロチョウやノシメトンボなどが集まっていた。花は、昆虫の生活を支えて、大切な役割を果たしているんだと実感した。ここでは他にも色違いのコスモスも咲いており、とても美しかった。

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