応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
入選
第33回 高校生の部

鳥と出会える通学路

市原 晨太郎

兵庫県
兵庫県立大学附属高等学校
高校1年生

全体説明

この観察路は、僕の家付近から僕の通っている高校までの通学路です。僕は鳥が好きなので、野鳥にこだわってマップを描いてみました。僕の通学路全体では、年間を通して40種類あまりの野鳥を見ることができます。ほとんど山しかないので山の鳥が多いですが、栗栖川や水田もあちこちにあり、県大附属高校の裏の山道には沢も流れているので水辺の鳥も少しは見ることができます。

僕が住んでいる新宮町はとにかく山と田んぼばかりで、自然がとても豊かなところです。高校生になって、新しい通学路を通るようになり改めてそのすばらしさを実感できました。双眼鏡を片手に登下校していると、数が減っている野鳥も数種類くらしていることが分かりました。特に高校のそばでサンコウチョウのさえずりを聞いたときはとてもうれしかったです。

観察ポイントごとの説明

①カワセミなど

栗栖川では、よくカワセミを見かけます。川にはカワムツ、オイカワ、シマドジョウ、ナマズなどたくさんいて、えさは豊富にあるようです。また、イカルチドリがたくさんいて、幼鳥もいることから繁殖しているようです。イソシギの他に、冬にはクサシギ、春の渡りの時期にはキアシシギが見られました。

②トビなど

広い水田が続きます。トビが電柱にとまって餌を探していました。あぜにはアオサギ、ダイサギと少しチョウサギも立ってカエルなどおを探しています。人が近づくとすぐに飛んでいって、はなれたところに舞い降ります。真っ白の体で空を舞っている姿には、ついつい見とれてしまいます。秋の田では、スズメやホオジロ、カワラヒワも群れで見られ、スズメは稲穂を食べてしまっていました。

③カルガモとサギ類

カルガモの番がのんびり泳いでいました。ヒナは連れていませんが、なんだかほっとします。サギ類もたくさん集まっています。魚をみんなで探しているようです。カワウも混じって、石の上で休んでいました。あいかわらず大きな鳥だなと、思いました。

④コゲラと混群

ひたすら坂の山道が続きます。山に目をやると、コゲラが見られます。エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロなどと混軍をつくっているようです。春にはホオジロ、ウグイスなどのさえずりがとてもにぎやかでした。空を見上げるとトビの他にハイタカを見つけることもあります。

⑤小鳥たち

まだ山道は続きます。天気のよい夏の日にはセンダイムシクイ、イカル、ホオジロのさえずりがどこからか聞こえてきます。空に目を向けるとキジバトやサンショウクイが飛んでいるのを見つけることもでき、とてもたのしいです。

⑥ヒタキたち

川が流れている横を道が通っています。ここでもカワセミを見ることができます。川の上の枯木のこずえではオオルリがさえずっています。双眼鏡で見る鮮やかな青の美しさは別格です。林の奥からもキビタキや、たまにクロツグミのさえずりがきこえてきます。

⑦ホオジロ

鹿よけの柵によくホオジロがとまっています。オスもメスも、幼鳥もいて、どれもとてもかわいいなと思いました。田んぼの中ではカルガモが泳ぎ、ダイサギ、アオサギが立っていました。

⑧サンコウチョウなど

高校から裏の山を下りていく山道は、沢に沿っていてまわりはスギ林と広葉樹林があります。スギ林からはサンコウチョウのさえずりが聞こえてきます。空はコシアカツバメ、サンショウクイが飛び回り、キセキレイが道路をちょろちょろしてかわいいです。

⑨コシアカツバメ

コシアカツバメは秋遅くまでよく飛び交っています。山の中でこんな光景が見られるのは山の中に高校の校舎があるからだと思います。山の緑のにオレンジ色の腰が映えます。僕の大好きな鳥の一つです。

⑩兵庫県立大学附属高校

やっと高校に着きました。シジュウカラ、ヤマガラの声が聞こえ、コゲラ、アオゲラも見ることができます。高校のまわりにはサンショウクイがやたらたくさん飛んでいます。

【より深い観察レポート】

観察を続けて分かったこと

自然が豊かなことについてたくさん書きましたが、やはり他地域の例にもれず生き物には暮らしにくい環境になりつつあるようです。まず、栗栖川のカワセミですが、今年皮から数百メートル離れた神社にできた土の急斜面に巣穴を掘るので、こんなに離れたところにわざわざ巣をつくっていることから巣を作れるような場所がかなり減ってきていることが分かります。また、高校のあるテクノの街も、元々は森だった場所を切り開いて道などをつくっています。本当ならサンコウチョウやサンショウクイなど希少な鳥ももっとたくさん暮らせていたのかと思うと胸が痛みます。例を挙げればきりがありませんが、これ以上自然破壊は絶対に続けてはいけないと思いました。

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