応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
佳作
第30回 高校生の部

揖保川周辺 私のおさんぽマップ

貝賀蛍子

兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生

全体説明

私の家から5分ほど歩けば、揖保川という川に着きます。小さいころは、よくお父さんや姉やいとこと川原に遊びに行っていました。春は、つくしがたくさん生え、いろんな花が咲いていて、誰が一番つくしや花をたくさんとってくるか競争したりしていました。夏は、水着を着て水遊びをしていました。水でっぽうで打ち合いをしたり、どんな生き物がいるか探したりもしてました。秋は、すすきをとってふり回したり、落ち葉を拾って遊んでいました。冬は、草についた霜柱をさくさく踏んだり、川に水がはっていないか見てみたりしていました。

中学校にはいってからは、もうこの川にくることもほとんどなく、すっかり忘れていたのですが、またこうやって見てみるととてもなつかしく思いました。前とは少し違っていたところもあって、散歩をするのがとても楽しかったです。

観察ポイントごとの説明

ポイント1

家の近くにある公園の周辺には、畑がいくつかあり、その畑には少し大きめの溝があります。その溝にはたくさんの生き物がいて、特にドジョウが多いです。メダカやアメンボがいる時もあります。大きいものでは、ごくまれにザリガニがいるときもあります。近くの小学生たちがよくここで遊んでいて、ザリガニがいるときはけっこうもりあがって、とても楽しそうにしていました。

 

ポイント2

ポイント1の少し先をいくと、田んぼが見えてきます。梅雨の時期になると、カエルが出てきて元気な声で鳴いています。オタマジャクシもいて、小さくてかわいいです。スズメやシラサギなどの鳥もいます。田んぼの中をよく見てみると、タニシがあって、驚きました。私は今まで、田んぼでタニシを見たことがなかったからです。新しい発見があって、少しわくわくしました。

 

ポイント3

私の住む町には、「永富家住宅」という国の重要文化財に指定された建物があります。永富家住宅は、江戸時代後期の民家の特徴や日本建築の美しさを知ることができる貴重な建物です。長屋門の前に広がる「秋恵園」では、六月の初旬から中旬にかけて、庭園の真ん中にある池のほとりに花しょうぶが咲き誇り、茶会などが開かれ、風流を味わう人々に親しまれています。

 

ポイント4

小学校のわきを通って少し行くと、小さな林っぽいものがあります。そこには小さな神社もあります。高い木が生えていて、夏はちょうど良い日陰になって涼しいです。さらにセミがいて、「夏」が体にしみこんでくるので、小学生のとき、とても好きでした。でも、蚊がたくさんいたのでしょっちゅうは行けないのが残念でした。たまにカブトムシなどもいて、捕まえた時はとてもうれしかったです。

 

ポイント5

道をそれて、揖保川に沿っている道に入ると、向うの岸が見わたせてとても気持ちいいです。川の真ん中の方に三角州のようなものがあり、その近くでカルガモを見かけました。何匹か泳いでいて、その中には親子もいました。子どもが親について泳いでいるのがとてもかわいかったです。黒いくちばしの先にある黄色い部分が少し目立っていて、かわいいなあ、と思いました。

 

ポイント6

カルガモたちがいた所より少し川上にいくと、ダイサギという鳥がいました。体が大きめで、へびのように長い首を持っているのが印象的でした。白い体に太陽の光が反射してまぶしかったです。また、コサギという鳥もいました。コサギの指は黄色いことから、イエロースリッパと呼ばれているそうです。「黄色いスリッパ」というのはとてもお似合いだと思って、思わず笑ってしまいました。

 

ポイント7

戸ちゅうで折り返し、川下の方に行くと、メジロがいました。最初はうぐいすかと思ったけれど、調べると違っていました。メジロは、目のまわりが白いことから名付けられました。色はうぐいすより鮮やかで首の下がきれいな黄色です。みかんを半分に切ったものや、はちみつを何倍かにうすめたもの等を餌台に置いておくて食べに来るそうです。色がきれいで美しいなあと思いました。

 

ポイント8

さらに川下にいくと、ユリカモメという鳥がいました。川でカモメを見たのはたぶん初めてだったので、川原をおりて少し近くまで行ってみました。白い体に、尾が黒いのが印象に残りました。カモメ類ではいちばん内陸にまで飛来する鳥で、海岸から数十キロも入った川岸の街などでエサをあさったりしています。冬鳥のユリカモメは八月中旬頃から揖保川に姿を見せるそうです。

 

ポイント9

川下の折り返し地点に行くと、菜の花が一輪だけ咲いていました。「アレチカラシナ」という菜の花だそうです。春は、この菜の花が川原一面を黄色くしてとてもきれいです。この菜の花は、年によって少しずつ生える場所や量が違います。それは、夏に川の水が増えて、土手まで水につかるため。種が流されたり、上流から肥えた土が運ばれてくることと関係があります。自然だなあと思いました。

 

ポイント10

最後のゴール地点のコンビニでは、ツバメが巣を作っていました。ヒナもだいぶ大きくなっていて、よく鳴いていました。ツバメの巣は、泥と枯草を唾液で固めて巣を造りますほとんど人工物に造巣し、民家の軒先など人が住む環境と同じ場所で繁殖する傾向が顕著です。これは、天敵であるカラスなどが近寄りにくいからだと考えられています。意外と賢いなあと思いました。

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