応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
佳作
第31回 高校生の部

富士山富士宮口ルート 五合目~七合目

辻岡 美和

大阪府
関西創価高等学校
高校1年生

全体説明

富士山に登るのは今回が初めてだった。下の方にある駐車場から富士山を見上げた時、ある所を境にほとんど植物がないように見えた。以前、長野県の千畳敷カールに行った時、2612mの場所にたくさん花が咲いていたことを思い出し、なぜ富士山には植物が少ないんだろうと不思議に思った。実際に登ってみると、たしかに動物も、植物も少なかった。でも、よく見ると、1つ1つの花や、木の形が見たことのないようなものばかりだった。それは、千畳敷で見たものと違っていた。調べてみると、富士山ならではの植物が多かった。たくさん花が咲いているのも良いけれど、岩だらけの場所に、そこにしかない花が咲いていて、鳥が鳴いている富士山は、やっぱり日本一の山だと思った。

観察ポイントごとの説明

観察ポイント①

初めにニホンジカを見かけたのはバスで五合目まで登っている途中だ。朝早い時間だったので見ることができたのかもしれない。驚いたことに、五合目についてからもシカを見ることができた。私が見たのは雌鹿だった。調べて見ると、最近富士山では多くのニホンジカが目撃されているらしい。道路にとびだしたりして、危ないようだ。とにかく、富士山の、しかも2400mのところにシカがいることに驚いた。

観察ポイント②

最も印象に残っている植物は、このカラマツだ。本当に不思議な形をしていた。また、その形を見た時、富士山に吹く風がどれほど強いのかということも知った。カラマツがこのように高所に生えているのはめずらしいことらしい。普通の高い山には、ハイマツが生えるそうだ。だからこそ、地面をはうような形をしたカラマツがたくさん生えている光景は富士山独特のもので、とてもおもしろい景色だと思った。

観察ポイント③

道を歩いていて、所々紫色の花が咲いているなとは思っていたけれど、模様までは見えず、写真をとって帰ってきた。家に帰り、写真を拡大して、初めて花びらのきれいな模様、色を見た。こんなに不思議で、きれいな花を見たのは初めてだ。歩いていて、他にも紫色の花がいくつかあったが、富士山には紫色がとても似合うと思った。

観察ポイント④

富士山で見た花の中で1番鮮やかな花だった。だいぶ上に登り、植物も減ったところにこのクルマユリの明るいオレンジがあって、不思議な光景だった。また、ふつうのユリとは違う方向にそれる花びらがおもしろいと思った。なかなか見ることのない花だったので、特に印象に残った。

観察ポイント⑤

この花こそ、まさに私が思っていた「高山植物」というような形や色の花だった。登山道の近くに咲いていたので、他の花よりしっかり観察することができた。よく見ると、同じシャジンだが少し花の形が違うものがあることに気付いた。後で調べると、それはヒメシャジンだった。ミヤアシャジンの派生したものらしい。フジイタドリなどと比べると咲いている数は少なかった。

観察ポイント⑥

このフジイタドリが、ベニイタドリと並んで、最も多く咲いていたように思う。ベニイタドリと隣りあって咲いていることが多かったので、白と赤が並んでとてもきれいだった。花はとても小さくて、よく形が分からなかった。茎のふしの部分、枝が分かれている部分がピンク色になっていて、かわいらしい色だった。

観察ポイント⑦

富士山に登るまで、私は五合目より上、いわゆる「森林限界」より上に、生物がいると思っていなかった。だから、カラマツの枝の間でカヤフグリを見つけた時はとても驚いた。見つけてカメラを向けると、すぐにカラマツの奥へ逃げてしまったので、ゆっくり観察することができなかったが、目の丸い、かわいらしい鳥だった。五合目の駐車場で聞こえた鳥の声は、カヤフグリの鳴き声だったと思う。

観察ポイント⑧

とてもミヤマシャジンに似ているので、調べないと違いがはっきり分からなかった。これも、高山植物らしい花だった。シャジンという花は初めて見たが、きれいな色とかわいらしい形が、とても気に入った。他にもシャジンにはいくつかの種類があるようなので調べてみたい。

観察ポイント⑨

フジイタドリの隣によく咲いていた。花びらの赤い色がとても濃くて、また花びらが密集していたので、光沢があるように見え、初めは何かの実かなと思ってしまった。また、茎や枝の色も紅色っぽくて、きれいだった。五合目から六合目にかけて、また六合目付近によく見られた。

観察ポイント⑩

こんな高い所にまで鳥がいるのかと本当にびっくりした。少し、体の後ろの方が見えただけだったが、初めに見たカヤツブリより色が鮮やかだった気がしたので、イワヒバリではないかと思う。調べてみると、富士山には多くの鳥がいることが分かったが、私は二匹しか見ることができなかった。冨士宮口ではなく、湖がある山梨側の他のルートから行けば、もっと鳥が見えるかもしれない。

観察ポイント⑪

花の間ん中の部分が少し黄色くて、ただの白い花ではないんだと分かった。もう七合目付近まで行くとほとんど岩や石だったので、そんなに花は見られなかった。また、登山道の横を見ると、いろんな色の石があることが分かっておもしろかった。

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