受賞作品一覧

私の家は自然がいっぱい

佳作
足立 祥子
兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生
第31回 高校生の部

全体説明

私は大好きだった中学校の通学路をこのたびもう一度歩いてみました。春はどの家もたくさんの花が咲き、甘い香りがただよってきます。何よりも中学校や小学校の桜の花はみごとなものでした。夏は強い日差しの中、部活のため、歩いていると、ひたすら聞こえてくる蝉の声。秋は黄金色にあたり一面一色に染まり、夕日も美しいものでした。冬は、田んぼの中にできた霜柱を踏むのがたのしくて、あっという間に学校に到着しました。

そんな楽しい思い出を思いだしながら歩いていると、ふと気付いたのです。何よりも私の家の敷地内の生物が多いことに。木々も多いためか、自然に近いのかも知れません。こんなに生物に出会えるのは、もしかしたら、私って幸せなのかもしれません。このたびの地図は私の家を中心に大きく書き、中学校までの道のりはかなり縮小することにしました。

観察ポイントごとの説明

1、ヌートリア

川の中の水は少なく、枯れた植物が多い所なのですが、数か所こんもりとした巣のような所がありました。毎日何なのか見ていると、ついに大きなネズミの様な生物が出てきました。初めて見る生物、すぐに調べてみると、ヌートリアという生物でした。

2・3、食物連鎖

私の父の診療所の隣に空き地があります。そこは、うめ立てる前は田んぼだったので、やや水はけが悪く、大雨が降ると、大きな水たまりができあがります。そこには、小さな昆虫やカエルなどが住み、ハトが何かを食べ、いつしかそれらをねらって、夜にはイタチ、昼間は青サギが。食物連鎖を見られる場所です。

4、くすの木

私の母校の小学校にはとても大きなくすの木があります。小学校は開校106年目、くすの木は小学校のシンボルとなり、代々生徒達が大切にしています。

5、カラスの巣

小学校校舎横の細高い木のてっぺんにカラスが巣を作っています。子育て中は3羽のそれぞれの鳴き声を楽しむことができますが突然激しく鳴くことも。そんな時は縄張り争いのようです。子供を守るため、必死に両親がたたかっています。

6・7、アメンボ・タニシ

家の横に用水路があります。そこには私が小さい時には大きな魚もいたのですが、今ではめったに見ることができません。それでも定番のアメンボ・タニシはいつでも見ることができます。

8、メジロ

毎年春になると、3~5羽で梅の花の蜜を吸いにやってきます。きれいな高い声と目の周りが白いのですぐに見つけることができます。

9、ムクドリの群集

ムクドリは最近大群で見かけます。電線に50羽以上もとまっていたりします。空き地に植えられているイチジクの木に実がなれば、色付く前についばみはじめ、甘い臭いがしてくると、いっせいに食べはじめます。

10、カブトエビ

私の小さい頃はたくさんあった田んぼも、今では住宅地になってきており、だんだん見ることができなくなってきている、カブトエビ。泥をはうように進んでは止まり。可愛いです。

11、元気なヒヨドリ

7月頃、ヒナが突然トイレの横の坪庭に落下。助けるために、捕まえようとすると、大きな口をあけて威かくします。親鳥も必死な為、大きな声で鳴き続けました。家族愛の強い鳥です。

12、体当たりするセミ

朝8時頃から一斉に鳴きはじめます。我家では、何十匹ものセミがいるようです。その木の近くを通る時には、びっくりするのか、一斉に飛ぶので体当たりするセミもいて、こちらもビクビクします。

13、夏の終わりを告げるセミ

夏の終わり、8月下旬から9月上旬にかけて、毎年鳴いています。ツクツクボウシが鳴くと、「夏ももう終わりだな。」と思います。

14、梅

白い梅の花が咲き、その後には大きな実ができます。今年は、20キログラム近くの実が収穫できました。

15、アオダイショウ

今年はまだ出会っていません。今まで出会った時は、いつもカエルを食べていました。その様子は迫力満点です。子どものヘビは真っ白でかわいいです。

16、アオスジアゲハ

カンキツ系の葉に卵を産むようです。幼虫はきれいな黄緑色をしており、カチューシャのような模様があります。

17、ヒルの仲間

昼間に出会うことはありません。夜になるとのろのろと地面をはっています。頭部は半月上で、10センチ~30センチの体長。家にはいませんが、1mを越えるのもいるとか…。

18、ニホンカナヘビ

出会う時は石の上。そして、つがいや親子で行動しています。卵は白くうずらの卵ぐらいです。最近はあまり出会いません。

19、スズメバチ

秋祭りが近づき、キンモクセイの花が甘い臭いを漂いはじめる頃に決まってやってきます。気味の悪い羽音を立てて。仲間が弱って死にそうな状態を見ると、しっかりくわえて、どこかに飛んで行ってしまいます。

20、オナガ

最近はいろいろな場所でよく見かけます。歩くのも早く、低い所をすばやく飛びます。鳥の中で、私はオナガが一番好きかもしれません。

21、クモ?アリ?

初めは、アリかと思っていました。手で払いのけると、おしりから糸を出して逃げました。動きもアリそっくりなので、新種のクモかと思えば、よく見かけるクモだとか。

22、セイヨウミツバチ

梅の花が咲くと、毎年飛んできます。以前は多かったのですが、今年は5匹のみ。毎年飛んでくる数は激減しています。

23、ヤモリ

夜になると、家の外壁や窓ガラスにぺったりくっついています。電気に集まる虫をねらっては、そーっと近づき、一気にパク!ヤモリも家族で過ごしている様子。時々、「キュキュキュ」と、鳴き声が聞こえてきます。すると、遠くからも返事をするように鳴いているのが聞こえます。こんな鳴き声はめったに聞けません。