応募期間

今年の募集は終了しました。ご応募ありがとうございました。

受賞作品一覧
環境大臣賞
第32回 高校生の部

Let’s Explore 三好公園

八木 葵衣

愛知県
愛知県立岡崎高等学校
高校2年生

全体説明

三好公園は自然豊かな場所として知られ、地元の人々に愛されている。園児の遠足地として使われたり、お年寄りの散歩道となったり、タケノコ狩りや昆虫採集も楽しめる。隣接する三好池周辺は春になると約2000本の桜が咲き誇り、花見の時期には地元の人だけでなく遠方からも多く訪れる。野球場、テニスコート、陸上競技上、弓道場、体育館などのスポーツ施設も充実していて、年間を通し、マラソン、駅伝、体育祭などの多くの行事が行われており、私はよくここをスポーツ観戦のために利用したり、実際に参加したこともある。ここを散歩道として今回選択したのも馴染みのある場所だったからだ。

改めて草花を観察したり、虫や鳥の動きを見て、その声に耳を澄ませたりしてみて、三好公園を訪れる時、昔ながらに守られてきたこの自然に多くの人が集まる様子を見て、この自然を地元の方々と共に見守っていこうと思った。

観察ポイントごとの説明

エリア1竹林

スタート地点に行くと、右手でたくさんの竹がお出迎えしてくれる。そこから少し進むと大きな木造の橋があり、左右にも背の高い竹が並んでいる。慎重に見てみると、竹と竹の隙間に小さな三角型のお山が…目を凝らしてみるとタケノコがあった。タケノコは3月~5月が収穫時期で、ここはその時期になるとタケノコがたくさん生えてくるのだ。地元の人はその時期を狙ってタケノコ狩りを楽しむ。

 

エリア2モミジとトンボ

橋を渡り終えて少しすると赤い屋根の休憩場が中央にちょこんと建つ小さな広場に着く。円形の広場に広がる芝生は炎天下の中青々と茂っていた。休憩場の道のりの途中にはモミジの木があり、葉の特徴からイロハモミジとわかった。また、そこにはトンボがたくさん飛んでいて、体の色と羽の特徴からマユタテアカネと推測した。

 

エリア3シロツメクサとアシナガバチ

広場を出ると左手に大きな黒い滑り台、また、もう少し進むと遊具がいくつかある。右手には綺麗な芝生が生い茂っていて、子供連れの家族がピクニックをしたり、遊具や芝生の上で遊んだりする光景が見られた。女の子達が芝生に座り込み、何やら熱心な様子で下を向いていたので覗いてみると、シロツメクサで小さな花冠を作っていた。花の蜜を求めて飛ぶアシナガバチも見られた。

 

エリア4マムシに注意!

芝生を抜けるとガラッと雰囲気が変わって左右に木々が生え続ける道となる。道も乾いた砂からしっとりと落ち葉を含んだ土に変わるので、ジャングルでちょっとした探検をしている気分になる。歩いていると右手に看板「マムシに注意!」三好公園は人工的に作られた自然だけでなく、そのままの自然を生かしているところもある。

 

エリア5ヒヨドリ

木々をくぐって歩いていると鳥の声が多くなってくる。聞き慣れた鳴き声の中で、耳に残る鳴き方をする鳥がいた。見た目が灰色で、クチバシは黒く、目の横には赤色の模様があった。また、他の鳥とは違い、全体的に細長い体型で尾翼が長かった。これらの特徴と「ヒヨヒーヨ」という鳴き声からヒヨドリだと推測できた。

 

エリア6アゲハとクロアゲハ

この日の前日は雨だったため、少しぬかるんだ道がみられた。足元に気をつけながら歩いていると、すっと目の前に影が通った。顔をあげると二匹の蝶が。アゲハとクロアゲハだった。アゲハは日向を目指して飛び、クロアゲハは日陰をゆっくりと飛んでいた。クロアゲハは名前の通り黒い体をしているので、熱を溜め込みやすいことから日向よりも日陰を好むらしい。

 

エリア7キノコ

道端の草花を見ていると茶色の塊がちらほら見られた。最初は気にも留めていなかったが丸い形のものが多かったので近づいて見てみると、小さなきのこだった。たくさんあったが、虫に食べられていたりしていてキノコの名前を推定しにくかった。その中で二つ、綺麗に原型をとどめていたのがモリハラタケとクサハツだった。モリハラタケは傘の端が白く、茎が細いのが特徴で、クサハツは茎が太いのが特徴だ。

 

エリア8セミ

夏の代名詞であるセミは、もちろん三好公園にもたくさんいた。アブラゼミは約6年幼虫時代を過ごし、羽化の条件が整うと地面から出て成虫になる。2~3週間の間しか生きられないが、その間に子孫を残す。アブラゼミの名前の由来はジリジリという鳴き声が油で揚げる音に似ていたかららしい。アブラゼミを調べていて、近年都市化によりアブラゼミの生息環境が整わず減少傾向にあることがわかった。自然の減少が身近に感じられた。

 

エリア9クロマツ

クロマツはみよし市のシンボルである。大空に向かって力強く伸びるクロマツを、発展を続けるみよし市の象徴とした。三好公園にも何本かクロマツが植えられていた。どれも立派で、月日を感じた。

 

エリア10セキレイ

ゴールまであと少しというところで一羽の鳥が地を歩いているのを見つけた。黒い小柄な体に額部分と腹部だけが白い羽毛で覆われているのが特徴で、人が近づいてもあまり逃げずに走って離れた。調べてみるとセキレイだとわかった。セキレイのなかでも私が見たのはクロセキレイという種類で、私が記録した特徴と一致していた。

 

エリア11カワヅサクラ

再びスタート地点に戻ってきた私は木造の橋の方を見た。そこで最初通った時には気が付かなかった、看板が掛けられた木を見つけた。そこにはカワヅサクラと書かれていた。カワヅサクラは1月下旬から2月にかけて開花する早咲き桜で花の色は淡紅色で普通の桜よりも少し濃い色である。絵は開花時の様子。振り返って発見することもある三好公園はたくさん自然がある所なのだと思った。

一覧へ戻る