応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
優秀賞
第31回 高校生の部

軍師官兵衛も歩いた?世界文化遺産姫路城お濠の散歩道

桂 花菜子

兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生

全体説明

私は、NHKで放送中の「黒田官兵衛」とゆかりのある、世界文化遺産「姫路城」の近くに住んでいます。

官兵衛も歩いたかもしれない中濠の野里門、清水門、市之橋門、内壕の北勢隠門、南勢隠門、姫山公園など、幼い頃から母や祖父母と歩くことがあります。濠には、白鷺や青鷺、白鳥、カルガモの親子、コイや雷魚など見ることができます。木々も美しく若葉、新緑、紅葉、落葉と一年を通じ楽しむことができます。

歩いていると、草花が目に留まりました。形のよく似た草花があることに気付きました。注意してみると似たものがたくさんあり、調べてみました。大小、形だけでなく、名前が似ていたり、雌雄、方言名があることに驚きました。かわいいは長崎、食用になるものもあり、草花の観察が楽しくなりました。

はびこる雑草の除草は大切ですが薬品散布で根絶させることはよくないと思いました。

観察ポイントごとの説明

① 近くで蛍を見ることもできます。土手に小学校で学習したヒメジョオンが咲いています。よく似たハルジオンがあります。茎が中実か中空、頭花がつぼみのときに垂れるかどうかで区別します。ハルジオンは貧乏草とも言われます。

春の七草のナズナもありました。実を三味線のバチに例えぺんぺん草、振ると音がするのでガラガラとも言います。

スベリヒユが黄色の花をつけていました。

 

② エノコログサは、日当たりの良いほとんどのポイントに群生しています。穂がアワに似ているのでアワクサ、穂でカニを釣るのでカニクサとも言います。穂が粗く全体がザラつくのはアキノエノコログサです。

ヨモギもあります。ヨモギ餅を食べたことがあります。葉をもんで止血に使うこともできるのでチドメ草とも言います。

桜の季節のポイント①から②の桜並木は圧巻です。

 

③ ハコベは茎の根元で盛んに分枝して、地面に低く這って伸びます。茎の上部が斜めに立ち、枝の先に小さな白い花をつけます。よく似た名前のウシハコベもあるそうですが見つけることができませんでした。ハコベと生育の様子は似ているのですが、葉の形が違い、ハコベより大きいようです。

ポイント③から⑤は、四季を通じていろいろな花が咲き、ピクニックには最適です。幼いころはお弁当を持って出かけていました。

 

④ ツメクサの茎は根の際から分枝し、広く地面に広がっています。葉は対生し先が細く尖っています。小さな白い花は花弁が五枚ありました。爪草の意味で、葉形を鳥の爪に見立てたものです。

ナガハギシギシは葉が波打ち、先のほうが幅が狭いようです。エゾノギシギシもありました。葉の波打ちがないので区別できます。

赤レンガ造りの美術館から見る姫路城も、とても魅力的な景色です。

 

⑤ メヒシバは、空き地でよく見かけます。茎の根際で分枝し、節から根を下ろしています。花は葉の間から細長い茎を出し、小さな穂が並んでいます。オヒシバはメヒシバより濃い色をしていました。

ノゲシは茎が直立し、途中から分枝しています。葉先が鋭く突き出ているが、縁にトゲはありません。黄色い花をつけます。オニノゲシは葉にトゲがあります。オオイヌノフグリは、犬のふぐりに似ているから、だそうです。

 

⑥ コニシキソウは、茎が根際から数本に分かれ地表に広がっています。節から根は下ろしていません。葉の中ほどに濃い赤紫の模様があります。オオニシキソウもあるそうですが、区別がつきませんでした。

セイヨウタンポポは、ガクが外側に反り返っているかどうかで区別します。反り返っていなければニホンタンポポということを知りました。

 

⑦ ハハコグサは、茎が根際から多く分枝し、下部は地面に這い、上部は上に伸び、群がった株になっています。茎の先に黄色い小さな花をつけます。春の七草のゴギョウは、越冬時の状態のものをいいます。ウラジロチチコグサも見つけました。シロツメグサ、アカツメグサもありました。

オオバコの葉は根元だけで、茎の先に円柱形の花をつけます。弱ったカエルを葉で巻くと元気になるので、カエルッパとも言います。

 

⑧ カタバミは、祖父の家紋に使われています。丸二カタバミといいます。黄色い花をつけています、葉を噛むと酸っぱいのでショッペとも言われます。ピンクの花をつけたのも見つけました。イモカタバミです。やや大きいものや小さいものをどのポイントでも見つけることができました。

濠には大きな鯉が沢山いて、手を叩くと寄ってくるような気がします。和舟に乗って、濠から姫路城を眺めるのも趣があり素敵です。

 

⑨ ドクダミの茎は直立しています。茎の上部に白い花をつけていますが、ガクがありません。花弁は四枚です。臭いのでジャコ草と呼ばれたり、薬草として用いられます。

内壕には白鳥が飛来してきます。黒鳥を見かけたこともあります。

好古園は時代劇のロケーションによく使われます。有名な俳優に出逢ったこともあります。

 

⑩ イヌタデは、茎の根際で多く分枝し、地面を這うように伸びています。うす赤い小花をつけるので、アカマンマやオコワ草など、赤飯に例えられています。花のつき方は似ているが、茎が直立しているオオイヌタデも見つけました。

船場川には白鷺や青鷺、カワセミなどが飛来しているのを見かけます。

ポイント⑩から⑪の細道は、千姫の小道と言われ、ここの桜並木も綺麗です。

 

⑪ ヤブカラシは、長いツルになって木々に絡み伸びています。葉と対生して巻きひげが出ています。葉のところから分枝し、先に小さい房のような花をつけています。荒れ地にはびこることからビンボウヅルとも言われています。

ツユクサの花は、上部に青二枚、下部に白一枚の花びらがあります。花を絞ると青い色がつくので、インキグサの別名があります。

 

⑫ イタドリの茎は中が空洞でした。雌雄異株ですが区別できませんでした。スカンポとも言われ、食べることができます。酸っぱい味がするらしいです。

オオアレチノギクが群生していました。茎は直立し、1メートル以上のものもありました。ヒメムカシヨモギとよく似ています。この草がはびこるようでは終わり、の意味で、シンダイカギリ(身代限り)と言われます。空き家の庭に伸びている草かもしれません。

 

⑬ ヘクソカズラの茎は長いツルになって、フェンスなどに巻きついて伸びています。小さい可愛い花ですが、潰すととても臭く、名前に納得しました。

ヒナタイノコヅチは茎が直立し四角に角張り、節が膨れています。花は下の方から咲いています。実には二本のカギがあり、側を通ると衣服についてくることがあります。ヒカゲイノコヅチもありました。

私はこの散歩道が大好きです。

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