応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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優秀賞
第39回 団体の部

姉弟で逆川緑地大冒険Part2

逆川緑地自然観察隊(代表:園部柚玲彩)

茨城県
茨城大学教育学部附属小学校
小学校6年生

全体説明

逆川緑地は、水戸市の中央を流れる逆川沿いに広がっている、細長い緑地公園です。逆川の両岸とそこに連なる斜面の林からなるこの公園は、豊かな水の恵みを受けて、様々な動植物が生息している、自然豊かな場所です。
逆川のどちら側の岸を歩こうか、木道を行こうか、広場の小道を通ろうか、林の中を進もうか、その時々によって様々な楽しみを味わうことができます。
昨年も姉弟で逆川緑地の自然を観察しましたが、今年は細長い逆川の別のルートをめぐって観察を行いました。今回めぐったのは、逆川緑地の中でも一段高い山になっている林の中です。ここは、木々に囲まれた静かな場所で、夏でも涼しげな風が吹いてきます。日の当たらない場所に多いコケやシダ、キノコなどが生息し、辺りには野鳥の鳴き声がびびき渡ります。逆川緑地の中でも、昨年とはまた違った魅力を味わえる場所です。

観察ポイントごとの説明

ポイント1 もみじ広場
もみじ広場は、シンボルツリーの大きなもみじの木と、屋根のついた休けい場のある、気持ちの良い場所です。ここにあるのは、イロハモミジです。葉が五から七枚にさけ、イロハニホヘトと数えたことから、この名前がついたそうです。夏は緑色ですが、秋になって葉の活動が弱くなると緑色の色素が減って、赤い色素が増えるため紅葉します。アゲハチョウもやってきて、私達をこの森の中に案内してくれるようです。

ポイント2 木製階段
もみじ広場から下の公園に通じる階段の周りには、左側にクマザサ、右側に竹が生息しています。クマザサは、六十から百二十年もかれずにいる、とても生命力の強い植物で、こい緑色の葉が、横の斜面に所せましとおいしげっています。そして右側の竹林は、春の間に出てきたたけのこがすっかりと大きくなり、青々としてすずし気です。竹は生育が早く、一日に1メートルものびることがあるそうです。

ポイント3 自然ふれ合いの池
自然ふれ合いの池には、一羽の白鳥がいます。いつも気持ちよさそうに泳いでいますが、たまに池から出てお散歩をしている時もあります。池のとなりのベンチでお弁当を食べていると、お弁当を食べたそうにすごく近くまで寄ってきたことがあってとても驚きました。この池には、ガマが生息していて、白鳥はそのかげで泳いでいる時もあります。ガマの穂は、棒にささったソーセージのような形で見るたびに食べたくなってしまいます。

ポイント4 雑木林への道
雑木林への道には、ドングリやクリの木があります。ここにあるドングリの種類は、こならとくぬぎです。ドングリの帽子は「はかま」と言って、種類ごとに特ちょうがあってかわいいです。こならのはかまはうろこもようで、ベレー帽をかぶっているみたいです。実は、細長くぷっくりとしています。くぬぎのはかまは、もじゃもじゃしていて、さわると少しチクチクします。実は真ん丸で、葉は細長くギザギザとしています。
クリは、お散歩をしているおじさんから、「ここのクリは山グリだから、実が少し小さいんだよ。」と教えてもらいました。秋になってクリ拾いをするのも楽しみにしています。
そしてここでは、ハグロトンボやモンシロチョウもいます。ハグロトンボはチョウのようにヒラヒラとまうように羽ばたきます。けい戒心が強いので、つかまえるのが難しいです。モンシロチョウは二ひきで交尾する姿も見られました。

ポイント5 丸太階段
雑木林をぬけた先の丸太階段は、少し暗くて湿り気があり、不思議な雰囲気をかもし出しています。階段の斜面には、木と石が交互に積み上がった石がきがあり、その間からトラノオシダやヤブソテツのシダ植物が顔を出しています。トラノオシダは、葉は細く尾のようになることから、トラの尾の名前がついたそうです。ヤブソテツの葉は、ソテツの葉に似て、かま状の小葉を十対以上もっています。

ポイント6 ハチ注意の道
丸太階段の先には、うっそうとした暗い道が続きます。ここは、人が通った気配があまりなく、昼間も暗くておばけやしきのような道です。少し行くと、道の真ん中までのびている木の枝に、スズメバチの巣を発見しました。色々な虫をエサにしているスズメバチにとって、このような林は巣をつくるのに絶好の環境です。この道は、「ハチ注意の道」と名づけて、もう近寄らないようにしています。

ポイント7 野草園
丸太階段を上ってさらに一段高くなった森林の中には、「野草園」と名付けられた場所があり、木道になっています。夏に冒険に行った時には、コバギボウシの花が見られました。
コバギボウシの花は、横向きにつくのが特ちょうで、花びらの内側にこいむらさき色のすじが目立ちます。一日花なので、一日だけ咲いて、その日のうちにかれてしまいますが、とてもきれいです。

ポイント8 観察塔
野草園と平行してあるのが、観察塔です。ここは少し開けた場所にベンチがあり、休けいできるようになっています。ここには、ヤブツバキの木があります。夏にはこい緑色の葉があるだけですが、冬にはピンクがかった紅色の花を咲かせます。花が咲いた後は、五枚の花びらがついたまま落花するので、落ちてもきれいです。またここには、カナヘビもよく顔を出します。浅黒い茶色で、捕まえようとしても尾を切ってにげてしまいます。

ポイント9 キノコの道
野草園から真っすぐ進むと、様々な種類のキノコ達が見られる、キノコの道に着きます。木々に囲まれたしめった土の上に、白い小さなニワトリの卵のようなものを発見しました。家に帰って調べてみると、タマゴは割れた後、赤いかさと柄のもようが美しいタマゴダケというキノコだと分かりました。そして他にも、茶色く、ひびわれたようなかさが特ちょうのヘビキノコモドキも見つけました。毒があるので、要注意です!

ポイント10 コケの道
観察塔をぬけると、また少し日かげの多いコケの道にたどり着きます。ここに生息しているコケは、ギンゴケです。コケは胞子で増え、道沿いに緑のじゅうたんのように見事に広がっています。ギンゴケは、先の方が少し白っぽく、先端部分が光を反射して銀色に見えることから、ギンゴケと呼ばれるそうです。木々の間から木もれ日が差しこんでギンゴケに当たると、キラキラと輝いて見えるので、朝日が差し込む時間に通るのがおすすめです。

ポイント11 野鳥観察場
野鳥観察場には、野鳥を観察することのできる、木の台があります。そこには、この観察場で見られる十二種類の鳥たちの紹介がされています。その中で鳴き声を聞いたことのある鳥は、ヒバリとシジュウカラ、オナガです。春から初夏の間に、「ピーチクパーチク」や「ピーヒョロヒョロ」と鳴きます。シジュウカラは「ツツビー」や「ジュクジュク」、オナガは「グェグェキュイキュイ」と鳴きます。

ポイント12 杉の木のロード
杉の木ロードには、10メートルをこえる杉の木が道沿いにたくさん並んでいます。その杉の木には、夏の間は、たくさんのセミ達が絶えず鳴き声をひびかせています。特に多いのが「ミーンミーン」と鳴くミンミンゼミです。また、「ジージー」と鳴くアブラゼミ、「ツクツクホーシ」と鳴くツクツクボウシも見られます。その周りをアキアカネやシオカラトンボが飛びまわっています。私達姉弟は羽を優しく持ってつかまえるのが得意です。

ポイント13 木の階段
杉の木ロードをぬけた先には、下の公園につながる、木の階段があります。そこで見られるのが、トノサマバッタです。トノサマバッタは、周りに仲間が少ない所で育ったものは緑色、周りに仲間が多いところで育ったものは褐色になるそうです。ここのトノサマバッタは、集団でいないので緑色です。バッタの仲間は、成虫も幼虫も草を食べて暮らします。この場所には、草がたくさんあるので、バッタにはぴったりの場所です。

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