応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
優秀賞
第33回 団体の部

大生院里山の生きものに出会う道

青木 理香子、青木 祐太朗、青木 康太朗

愛媛県
こどもエコクラブレインボーキッズ
高校2年生

全体説明

新居浜市は山すそを走る高速道路から海岸の工業地帯までの間に田畑と住宅地がある。私たちはどちらかというと工場に近くマンションが多い地域に住んでいる。夏休みに科学博物館に行くと、車から降りて建物までの間によく珍しい虫や蝶に会う。博物館は高速道路より山、新居浜市の北西の端にある。山から続く自然いっぱいの里山。どんな生きものと出会うか、もっと歩いてみたいと思い時間をとった。側道から森の小道を抜け、棚田を見て水路に沿って歩き、山に戻ってきた。途中ため池が二つあり、ため池は愛媛県にも多いと知った。個体数は少なかったが、絶滅が心配されるトノサマガエルやアカハライモリも確認できた。カヤネズミの巣もあった。竹林があり、野原があり、水田があり、たくさんの蝶やカエルに会い、昔と変わらない自然が多く残っていてほっとした。

観察ポイントごとの説明

クズ、ヤブガラシ、アレチウリ、ヘクソガズラのつる草が覆っています。香りにつられてクズの花房を触ると虫がいっぱい。葉は暑い時間帯閉じます。葉、芽、根が利用できますが今は利用されず、マント群生化しています。

山を下り抜けます。竹をはじめサカキ、ウラジロ、しいたけのホダギなど、生活で使う植物が全部この裏山にあります。日が差さない山の植物は効率よく光を集めています。葉は五方向に広がって全く重なっていません。

棚田が見えるところに出てきました。クサキの花にモンキアゲハ、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、大型の蝶がたくさん来ています。石垣にチャノキ。道端のニラの茎にはさなぎが、金網には幼虫がいて、変態が観察できます。

道路の下をくぐり水路沿いに歩きます。ため池の水面はスイレンとヒシが覆っています。ヒシの株の中心には小さな白い花が見えます。池の中にはシオカラトンボ、ギンヤンマが飛び、チョウトンボが止まっていました。

分水路です。下流へどの割合で水を流すか板で仕切っています。稲刈り前の水がある田んぼでトノサマガエルを一匹見つけました。浅い水路にはヌマガエルが数匹。エノコログサを見つけてカエル釣りをしたくなりました。

あぜ道を歩きます。田んぼのふちに野生のセリが生えているところがありました。水路は深く、水温は冷たいです。アカハライモリが底に一匹いました。アカハライモリの幼体は水中で暮らします。時期で一匹なのかな?

右には竹林と雑木林があります。竹といろいろな木が混じっていて荒れている印象を受けました。クマゼミもいました。

道路の下をくぐると土手に出ます。かんがい用池の碑があります。池までの草原にアマガエルを二匹見つけました。葉の上でじっとしています。緑色のカヤが、地上50㎝で巣になっています。カヤネズミの巣のようでした。

道端がぬかるんでいます。金色のヒカリモが見えます。閉じきってないカラスウリの花もあります。夜、レースがくっついたような白い花を咲かせ大きく見せるのは、ガに受粉を手伝ってもらい、子孫を残す工夫です。

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坂道を上るとクヌギ林が左手にあり入ってみます。アシナガバチの死骸がありました。木の根元50㎝のどろはイノシシが体をこすりつけた跡です。カブトムシやクワガタは見つかりませんでしたが樹液が出ていました。

【より深い観察レポート】

考察 地点1,4,7

今回、里山を池や水田、それに続いている水路に沿って歩き、たくさんの生きものに出会った。人が水環境を整えているから春から秋水田が生きていて、生きものの環境が守られていると感じた。去年も歩いたという博物館の先生に、去年稲が植わっていたのに今年耕作されていない田んぼがあること、竹林が荒れていることを聞いた。今年、公民館行事で大きな青竹を使ってそうめん流しをして、竹の工作(水鉄砲、竹馬、箸、コップ、皿)を楽しんだ。その時は1回のためにたくさん青竹を使い申し訳ないと思った。でも里山を歩いて家の壁の中に竹を使わなくなった今は積極的にこんな行事で使う必要があると思った。クズも葉や根の利用は難しいかもしれないが、芽は夏でも食べられるのなら試してみたいと思った。自然の保全のためには、田の利用、竹の利用など、人の利用が必要とされている。生活を見直して少しでも取り入れたい。

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