応募期間

今年の募集は終了しました。ご応募ありがとうございました。

受賞作品一覧
最優秀賞
第27回 小学生の部

ぼくの通学路、のんびり寄り道編

柳原直匡

福岡県
北九州市立港が丘小学校
小学校5年生

全体説明

ぼくの通う「港が丘小学校」は、九州のほぼ最北端に位置しています。そのため、うら山は瀬戸内海国立公園内の古城山、グランウドからは関門海峡がのぞめるというすばらしい場所にぼくの学校はあります。

 ぼくは、この小学校に徒歩で二十分かけて通っています。途中には関門トンネル口などもあり車も多く、自然とは無関係に見えるこの街をいつもなんとなく歩いていました。

 しかし、お母さんの「今年は、通学路でセミが鳴いていないね。」の一言が気になり、植物や生き物の様子と変化を調べました。

 今回、観察の中で色々な発見がありました。セミの鳴く時間は種類によってちがうことや、学校のしき地内にたくさんの虫がいること、道路のしき石のすき間で黄色い花の咲くスベリヒユが育っていることなどです。

 ぼくは、短い通学路の中でさえ色々な植物や生き物が力強く精一杯生きていることに気付くことができてうれしかったです。

観察ポイントごとの説明

(1)

 ここは、くすの木の並木通りの一画です。

 毎朝ここではクマゼミがとても元気に鳴いています。下校時にはアブラゼミが、夕方にはヒグラシも時々鳴いています。

 ぼくは、なぜセミは種類によって鳴く時間が違うのか考えました。セミの成虫時代は約一週間ととても短いです。そのため、限られた時間の中で、それぞれのオスが確実に自分と同じ種類のメスを呼ぶために時間をずらして鳴くようになったのではないかと思います。

 

(2)

 ここは、街中の空地です。二年前にお店がなくなり更地になりました。しかし、今では色々な植物が青々としげっています。

 今回ここで色々な植物を採取して種類を調べておどろいたことは帰化植物がそれほど入りこんでいなかったことです。セイヨウタンポポだと思いこんでいたものも関西タンポポだったし、カタバミやオヒシバなど日本古来の植物たちもしっかり育っていました。ぼくは、この空地のこれからの変化が楽しみです。

(3)

 ここは、ケヤキの並木通りです。家の前から学校の近くまでずっと続いていて、ぼくに涼しい日かげを作ってくれます。

 今年、この場所で気になっていることがあります。それは、セミが一匹も鳴いていないということです。ぼくは、ケヤキの根元の土が特殊な薬剤(植え込みなどの土が散らばらない様にするもの)で固められたことが原因ではないかと考えています。なぜなら、この固い土でセミが育つのは、難しいからです。

 

(4)

 ここは、学校近くのお寺です。このお寺は、この門司港より戦場へと船出して、二度と故国の土をふむことができなかった、かわいそうな馬たちのために「軍馬塚」が建てられています。境内では、桃色の花の咲くサルスベリの木や、桜が植えられています。特に桜の木は、へいから通学路に枝が大きく伸びていて、毎年春休み明けの四月に満開の桜でぼくをむかえてくれます。友達ときれいな桜の花の下を歩くのは、とても気持ちがいいです。

 

(5)

 ここは、学校すぐ下の坂道です。住宅街ですが、すぐ近くまで古城山がせまっています。

 この場所では、人間が出す生ゴミをねらうカラスのすがたがよく見られていましたが、昨年秋からは、野生のサルも現れるようになってしまいました。しかし、それもすべて人間が山をけずり、動物たちの住みかや食べ物を奪ったからではないでしょうか。だからぼくは、野生のサルやカラスを害獣、害鳥よばわりするのはかわいそうだと思います。

 

(6)

 ここは、学校内のわくわくランドで、たくさんの虫たちを観察できます。砂地ではクルマバッタもどきが、草地ではオンブバッタが、それぞれの体色に似た場所で暮らしています。ぼくたちは、ここの砂場で「オケラ堀り」をして遊びます。オケラはコオロギの仲間ですが、同じ様に土中で暮らすモグラと体の造りが似ています。一つ目は、前あしで、土を掘るのに便利な形です。二つ目は、びっしりと生えた体毛で、体が汚れるのを防いでいます。

一覧へ戻る