受賞作品一覧

野鳥の宝庫 海辺の散歩道

佳作
永田理紗
静岡県
浜松市立芳川北小学校
小学校6年生
第26回 小学生の部

全体説明

浜名湖畔の舞阪地区は、上空を多くの野鳥が飛び交う自然豊かなところです。漁業の町なのであちこちに船着き場があり、サギの仲間やカワウなどがエサを捕る様子が見られます。線路を越えると、養魚池やハス池もあり、その環境に合わせていろいろな種類の鳥が訪れます。特に冬になると、たくさんの渡り鳥が越冬のためにやってきて、とてもにぎやかになります。

 また、道端や池の周囲には、季節によって様々な草花が咲き、私達の目を楽しませてくれます。春のタンポポから始まり、秋のヒガンバナと色とりどりの草花が観察できます。海辺なのでハマダイコンも春になると咲き乱れ、辺り一面がピンク色になります。

 最近では、ハス池も徐々に埋め立てられていますが、こうした空き地にもツグミやハクセキレイなどの姿が見られます。普段見られる鳥と水辺の鳥を一度に見ることができる野鳥の宝庫となっている素敵なところです。

観察ポイントごとの説明

ポイント1

 橋のたもとからは、浜名大橋やイカリ瀬の大鳥居を見渡せます。望遠鏡を使うと、イカリ瀬にサギやカモメの仲間などが大集合しているのが見られます。また、夏になるとやってくるコアジサシがホバリングしてエサを捕る姿や、上空から魚を探すミサゴも観察できます。海の岩場では、茶色のお腹で体が青く鮮やかなイソヒヨドリがきれいな声で鳴いていて、潮風を感じながら表弁天を一望できます。

 

ポイント2

 ハス池の横の小道を入ると、浜名湖の畔に出ます。春になると湖岸はハマダイコンが咲き乱れ、辺り一面ピンク色になります。細くて小さいですが野菜の大根と同じような根があります。冬になると、対岸近くの瀬にセグロカモメやユリカモメなどが集まっているのが観察できます。また、小道の脇の木に「モズのはやにえ」を見つけることもあります。バッタやトカゲと様々ですが、刺してある木はいつも決まっているのがおもしろいです。

 

ポイント3

 道がカーブしている前方には、アシ原と木立になっているところがあります。アシ原、池、さらに奥に木立が並びいろいろな鳥がやってきます。アシ原にはアオジ、セッカ、ウグイスなど声はするけれどなかなか姿が見えない小鳥が、池にはカモの仲間、木立にはカワウの巣があちこちに見られ、サギの仲間やトビがたくさんとまっています。そのたくさんの鳥達の中にノスリがいる時もあり、その格好よい姿に釘付けになります。

 

ポイント4

 ハス池や養魚池が埋め立てられた空き地にも、シジュウカラ、ツグミ、メジロなど小鳥の姿を見ることができます。道端に生えている大きなセンダンの木は、秋になると褐色の小さな果実をたくさんつけます。その実をムクドリなどの鳥達がついばむ姿も身近で観察できます。また、空き地にはいろいろな草花が生え、季節の移り変わりを目で感じることができます。アキグミやジュズダマを初めて見たのもこの場所でした。

 

ポイント5

 ハス池は、冬になると越冬のためにやってきたオナガガモやヒドリガモといったカモの仲間やバンなどでにぎやかになります。茶色になったハスの葉やハチの巣のような花托がたくさん残る池で、のんびり羽を休めエサをついばむ姿が見られます。また、「キキー」という高い声とともに、一直線に飛ぶカワセミに出会えることもあります。夢中になって観察していると、ズボンにセンダングサの果実がついて大変なことになる時もあります。