応募期間

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受賞作品一覧
環境大臣賞
第32回 小学生の部

夕陽がしずむ海までの散歩道 ~天草西海岸白木尾地区~

田中 遥子

熊本県
苓北町立志岐小学校
小学校6年生

全体説明

私が住んでいる国照寺は、天草の西海岸、苓北町の白木尾という地区にあります。白木尾地区の東側は山地になっていて、みかん山もあります。その山のふもとに国照寺はあり、大小様々な自然の池があり、珍しい生き物に度々出会います。

白木尾地区は国道をはさんで東側は平野が広がっていて春から夏は稲作が、秋から冬はレタスの栽培が盛んに行われています。レタスの時期は、夜になると防蛾灯の橙色の明かりがきれいで、夜の散歩が楽しくなります。台地には水田はなく、野菜畑が広がり、苓北牛の牛小屋もあります。台地の先は海岸になっていて、砂浜や岩場があり、季節によってウニやタコ、ミナ、ワカメ、ヒジキなどをとることができます。風が強い日は、波の音がゴウゴウとうなり声のように私の家まで聞こえてきます。

観察ポイントごとの説明

① 珍しいカエルに出会う国照寺

今年、珍しいカエルに出会いました。一つは体長十五センチほどのアズマヒキガエルです。夜ノシノシと歩いていたのでつかまえて観察しました。ほっぺが赤くてかわいかったです。お腹は黒いまだら模様でした。台所で捕まえたゴキブリやムカデを一瞬で食べてしまいました。でも、十二センチの大きなムカデは食べられませんでした。

もう一つは、シュレーゲルアオガエルです。裏庭の植物の茎にぶら下がっていました。大きなアマガエルを発見したと思いましたが、よく調べてみると違いました。緑色のカエルは「アマガエル」としか思っていなかったので感激しました。図鑑によると樹上で生活するカエルだそうで、体長は二~五・三センチと書いてありましたが、見つけたカエルは五・五センチもありました。全く鳴かなかったのでメスだったようです。

② 国照寺周辺の夜の生き物たち

国照寺の境内や周辺では夜になると、イノシシやタヌキがうろうろしているのを見かけます。タヌキは人が来ると田んぼの溝にサッと隠れます。暑い夏の夜にはヒラクチというマムシが道にゆったりと横たわっています。体は太く短くてアゴが張っています。ヒラクチはイノシシの大好物だそうです。水田の泥にまみれたクサガメもよく池にむかって歩いています。

③ ナベヅルの通る空

二月のよく晴れた午前中に家族で裏山を散歩していたら、空から聞き慣れない鳴き声がしました。見上げると、Vの字になった鳥の群れでした。南から北に向かって飛んでいました。家で調べたらナベヅルでした。そういえば、秋の夕方、鹿児島の方へむかう群れの声を聞いたことがあります。ここは、鹿児島とシベリアを行き来するナベヅルの通り道になっているのだと思うと嬉しくなりました。

④ 防蛾灯が光るレタス畑

苓北町には九州電力火力発電所があり、電気の町ともよばれています。春は水田、夏は稲が広がっていた平野は、冬には一面のレタス畑になり、夜には防蛾灯がオレンジ色に光ります。冷たい冬の夜も、ついつい散歩したくなります。

⑤ 竹の防風林で守られた台地

白木尾地区の垣根は珍しいと思うと母は言います。白木尾地区の台地にある家は、屋根より高いニガマ竹という直径二センチ程の竹が分厚く植わっていて垣根になっています。白木尾海岸は西からの風が強いので、とても背の高い防風林が家や畑の西側にぎっしりと立ち、白木尾の人達の生活を守ってくれているようです。

⑥ ヒョウモンダコがすむ海

春休みに海岸へ散歩に行き、岩場で遊んでいると、友達がタコを見つけました。捕まえようと近づくと、じわじわと黄色や紫に色を変えました。捕まえて帰り、図鑑で調べるとヒョウモンマダコという猛毒をもつタコでした。オーストラリアなどにいるそうですが、天草でも発見されたと数年前に新聞にのっていたそうです。身近な海に危険な生き物がいることを知り怖いと思いました。

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